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りくりゅう、木原龍一が何度も三浦璃来に伝えた「フリーを滑らせてくれてありがとう」…衝撃の出会いから史上初の入賞まで“2年半の軌跡”

posted2022/02/20 11:04

 
りくりゅう、木原龍一が何度も三浦璃来に伝えた「フリーを滑らせてくれてありがとう」…衝撃の出会いから史上初の入賞まで“2年半の軌跡”<Number Web> photograph by Asami Enomoto/JMPA

北京五輪のフィギュアスケート・ペア、日本の木原龍一・三浦璃来が自己ベストを更新する演技で、日本ペア史上初の7位入賞を果たした

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松原孝臣

松原孝臣Takaomi Matsubara

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Asami Enomoto/JMPA

 演技を終えて、涙が止まらなかった。そして、笑顔が弾けた。

 2月19日、北京五輪フィギュアスケート・ペアのフリーが行なわれた。三浦璃来・木原龍一は141.04点の自己ベストをマーク、ショートプログラムと合わせた総合得点でも211.89点と自己ベストを更新、7位入賞を果たした。

 日本のペアのオリンピックでの成績は、1992年アルベールビル五輪に出場した井上怜奈・小山朋昭の14位が過去最高。それを上回る、日本ペア史上初の入賞だった。

過去最高のフリーで“日本ペア史上初の入賞”へ

 団体戦では、ショート4位、フリー2位と好成績を残し、日本の銅メダル獲得に大きく寄与した2人。2月18日に勝負のペアショートプログラムに臨んだ。

 結果は8位。トリプルトウループで三浦が2回転になったことに「自分のジャンプ抜けが悔しいです」(三浦)と悔いを残したが、「今日のことは忘れて、明日攻めていきたいです」(木原)、「明日は笑顔で滑りきれるように頑張りたいです」(三浦)と気持ちを新たにし、迎えたのがフリーだった。

 そして2人が見せたのは、過去最高の演技だった。

 冒頭はトリプルツイスト。そのあと、課題としていた3回転-2回転-2回転のトウループを着氷。3回転ルッツのスロージャンプ、3回転サルコウ、3回転ループのスロージャンプ……。

 他のトップ選手たちと肩を並べる高い技術もさることながら、団体戦を上回るスピード感と、曲が進むにつれ大きく広がるような笑顔で、「清々しい」と表現したくなるような曲の世界を繰り広げていく。そして掴み取ったのが、フリー5位、総合7位入賞という快挙だった。

 ただ、この日まで、順調に歩んできたわけではなかった。

団体戦の後から抱えていた重圧「心から楽しめていない」

 木原は言う。

「昨日のショートは無意識のうちにノーミスを狙いすぎて、心から楽しめていない自分たちがいました。今朝の練習でも2人のタイミングがなかなか合わなくて」

 三浦は、団体戦後に苦しんでいたことを明かす。

「自分が1つミスをしてしまうと、順位も落ちてしまうので、絶対ミスはしてはいけないって思いすぎてしまって、全体的に良い練習ができていなかったです」

【次ページ】 「もう今日は全ミス狙いでいこう」

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