フリー後のやりとりにも、2人の相性の良さが見えた。

「個人戦でフリーに進むのが初めてだったので、6分間練習の最中にそれを思い出して、『僕は今日初めてフリーを滑れるんだ』って話を直前にしていたら、三浦さんが笑ってくれていたので、それもよかったと思います」

　木原が話すと三浦は「いや、あまり聞いてなかった」と笑みを浮かべ、続けた。

「でも、今日の練習に来る前も、本番が始まる前も『フリーを滑らせてくれてありがとう』と言われて。龍一君と組んでよかった、と思いました」

フリー演技後、抱き合う2人　©️Asami Enomoto/JMPA

「まだまだ自分たちが頑張らなければ」

　団体戦、個人戦と長丁場を走りぬけて、あらためて思うのはもっと多くの人にペアの魅力を知って欲しいということ。木原は言う。

「オリンピックという期間はいろいろなスポーツに皆様が注目してくれますが、終わってしまったら結果を出さなければ、なかなか注目し続けていただくことは難しいと思います。まだまだ自分たちが頑張らなければ、ペアの次の世代が出てこないと思います」

「世界と戦えるようになってきたので、まだまだ走り続けてゴールは先にあるかなと思います。4年後も8年後も目指したいです」

　日本ペアの新たな歴史を刻んだ2人は、その成績とともに、2人ならではの世界を、氷上に広げ、成績以上の輝きを放った。

　その歴史をさらに切り開いていくために、日本のペアの未来のために走り続ける決意とともに、笑顔で大会を締めくくった。

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