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戸塚優斗(20)のバイクは「230万円超のBMW」、平野歩夢の契約金は“異次元”…スノーボーダーたちのリアルな収入事情とは?
posted2022/02/14 17:02
text by
津金壱郎Ichiro Tsugane
photograph by
JIJI PRESS
いまはただ“相棒”とともに疾走したい。そんな気持ちなのではないか――。
北京五輪スノーボード・男子ハーフパイプは、トリプルコーク1440(斜め軸で縦3回転+横1回転)を決めた平野歩夢(TOKIOインカラミ)が金メダルを獲得した。”キング・オブ・キング”のショーン・ホワイトの前に18年平昌五輪では銀メダルに終わっていた平野が、3度目のチャレンジでついに牙城を崩して8年越しの悲願を成就させた。
平野歩夢の弟の海祝(かいしゅう/日本大)は7m超えのビッグエアを決めて9位。一方、今季W杯開幕戦に優勝するなど好調だった平野流佳は予選を3位通過したものの、予選から壁の角度が変更された決勝は対応に苦戦して3度の試技すべて転倒して12位に。“19歳コンビ”はパフォーマンス内容で順位以上の明暗がついた。
“ゼッケン1”で挑んだ戸塚優斗
そして、誰よりも悔しさを噛みしめているのは、ゼッケン1番を着けて挑んだ20歳、戸塚優斗(ヨネックス)だろう。1本目、2本目の試技では難度の高いダブルコークを盛り込んだルーティン(演技構成)を完遂したものの、1本目は62・00点、2本目は69・75点と得点を伸ばすことができず、3本目は第3ヒットの着地でミスして26・50点。大舞台に向けて準備したトリプルコーク1440を披露することなく10位で大会を終えた。
「自分の滑りの中で、クリーンに決められなかったところがあったので、あの点数が付いたんだなと。点数には納得したんですけど、3本目、最後まで行けなかったのが、本当に悔しいです」
戸塚は16歳で挑んだ前回の平昌五輪は決勝に進出するも1本目の試技で転倒し、2本目では高いエアを披露したものの、パイプの角に落下して体を強打して担架で搬送されて3本目の試技は棄権となり11位。
不完全燃焼だった平昌五輪の借りを返すために、彼はこの4年間、地道な努力に励んできた。その成果が出たのが昨シーズンだった。2020-2021シーズンは高額賞金大会のXゲームで初優勝し、W杯でも2戦2勝、世界選手権も初制覇。負けなしでシーズンを終えると、一気に北京五輪のメダル候補としてメディアから注目される存在になった。