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戸塚優斗(20)のバイクは「230万円超のBMW」、平野歩夢の契約金は“異次元”…スノーボーダーたちのリアルな収入事情とは?
text by
津金壱郎Ichiro Tsugane
photograph byJIJI PRESS
posted2022/02/14 17:02
平野歩夢(左)と戸塚優斗(2021年全日本選手権にて)
Xゲームの優勝賞金は500万円
スノーボーダーはシーズンとなればヨーロッパやアメリカへの渡航費がかかるほか、ひとたび遠征に出れば長期滞在になるため宿泊費などで出費はかさむ。さらに強化費やオフシーズンの南半球でのトレーニング費用などを捻出すれば底をつく。
そうした懐事情のなかで戸塚が高級バイクを購入できたのは、ひとえに自身のパフォーマンスによるものだ。W杯などの賞金は10万~50万円ほどだが、プロ大会のXゲームで優勝賞金500万円を手にしたことが大きかったのだろう。
「ひと目惚れでした」と語るバイクを手にしたことは、戸塚のメンタルに大きな変化をもたらした。スノーボード以外の息抜きを初めて持ったことで、メリハリのある生活ができるようになったという。
「日本にいる時は明るいうちは練習に行って、帰ってきてからバイクで友達と走って。練習だけだと気持ちが続かないし、気分転換はめちゃ大事だなと知りましたね」
重圧から解放させてくれたのは、バイクとのひと時だった
2020-2021シーズンに全戦優勝したことで日増しに大きくなった北京五輪への重圧からも解放させてくれたのが、バイクに乗っているひと時だった。そして、今回の北京五輪から帰国した戸塚はふたたび相棒を走らせることだろう。
北京五輪での悔しさから立ち直り、次へと向かう気力を取り戻すために――。
「練習して勝てるライダーになりたい」
2026年ミラノ・コルティナ五輪で3度目の正直を実現させるために、戸塚優斗と相棒の物語はすでに始まっている。
記事内で紹介できなかった写真が多数ございます。こちらよりぜひご覧ください。