おぼん　同じやん。うっ憤がたまっとったんよ。たとえば、おれが舞台でワーッと突っ走るわけよ。お客さんはウケてるのに、こいつが横で眉間にしわを寄せてるわけ。それ見てるだけで腹が立つ。

こぼん　もう走り過ぎて、これ、いったい何してんねんという。

巨人　これやねん。1人はこれでええと思ってんのに、もう1人はそうは思わへんねん。ここは難しいな。

阪神　そんなボケ、いらんのにとか思っちゃうんですよね。

おぼん　いや、ほんま、腹立つで。ちょっとでも脱線すると、すぐ嫌な顔してくるから。

「ディレクターは涙浮かべるしさ」

巨人　阪神君も、ほっといて欲しい方やもんな。

阪神　うん。ほっといてと。

巨人　でも、僕は、ほっとかれへんタイプやからあきませんねん。

©Shigeki Yamamoto

阪神　だから、相方の機嫌のええときを見計ろうて、アドリブをちょこっと入れて、ウケたら採用されますねん。できたばっかりのネタやと、僕、ボケるところがほとんどないんですわ。それがつまらなくてね。

おぼん　一度、舞台で、おれは一切しゃべらんぞって反乱起こしたことがある。こぼんさん、お好きにどうぞ、って。

阪神　エーッ！

巨人　すごいな。なんぼ仲悪かっても、そこまではようせんな。迷惑すんの、お客さんやしな。

おぼん　そうや。失礼やねん。だから、ファイナル（『水曜日のダウンタウン』「おぼん・こぼんTHE　FINAL」）のときも、ほんまに別れよう思ったんやけど、ディレクターは涙浮かべるしさ。ずいぶんとお金がかかってるの、わかってたし。じゃあ、ここはおれが折れよう、と。そんで握手して、仲直りしたんや。

©Shigeki Yamamoto

巨人　優しいなあ。皆に迷惑かけたらあかんって言う気持ちですね。

こぼん「（漫才を）やめようと思いましたからね」

――ファイナルでは、こぼんさんの娘さんの結婚式におぼんさんも「もう一人の父」として出席されたんですよね。娘さんから昔のように仲よくなって欲しいという言葉もあって、番組中、2人はいったん和解しかけて、それをこぼんさんが拒否したものだから、そこからおぼんさんの態度が、また硬化してしまいました。そこから、最後、大団円に向かうまで、おぼんさんの中では、どのような心境の変化があったのでしょうか。

おぼん　おれが完全に開き直ったんやね。これ以上、迷惑かけられんわと思って。

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