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欧州サッカーPRESSBACK NUMBER
“中村俊輔の戦友”が「正しい方法」と激賞… 旗手怜央や古橋亨梧らの覚醒+ポステコグルー監督の“Jリーグ式でセルティック改革”
text by
田嶋コウスケKosuke Tajima
photograph by Alan Harvey/Getty Images
posted2022/02/06 11:01
旗手怜央のデビュー戦で労をねぎらうポステコグルー監督。J1優勝経験のある指揮官が欧州の名門でどんな結果を残すかも注目だ
例えば、選手がタッチライン際の大外レーンでパスを受ければ、周囲の味方はその内側のレーンに忍び込んでフリーランを仕掛け、マーカーを混乱させる。こうしたセルティックのスムーズな動きは、日々の緻密なトレーニングの賜物だろう。
「日本人選手の補強策が話題になっているが……」
ペトロフの話は、さらにポステコグルー監督の補強策に及んだ。
「ポステコグルー監督が就任した際、メディアやサポーターの間で懐疑的な意見が多かった。だがクラブは、ポステコグルー監督の実力をきちんと把握していた。どんなサッカーをやるのか、あるいはどんな方法論を持っているのか。こうしたことを、彼らは理解していたということだ。
この監督には確かな方法論がある。『これが私のやり方だ』と、ここまでブレることは一切なかった。補強についても、自分のスタイルに合う選手だけを連れてきている。有名選手やスター選手ではなく、自分の戦術に合致する選手を獲得しているのだ。
ポステコグルー監督は、多くの日本人選手を獲得した。この補強策が話題になっているが、(Jリーグでの監督経験を活かして)どんな動きができるのかを把握している選手を連れてきたということだ。そして、日本から加入した選手たちも、ポステコグルーがどんなサッカーをするのか理解している。だから、正しい方法でプレーできているし、勝利にもつながっている」
「ガファーのシステムでレオは輝いている」
旗手に関しては、彼のユーティリティ性がセルティックで存分に生かされているように映る。
川崎フロンターレ時代は、サイドバックからインサイドMF、左右の両ウィングまで複数のポジションをこなした。そのため、セルティックへの移籍が噂されていた際も、スコットランドメディアでは「旗手は人員が手薄な左SBで起用される」と予想されていた。
しかし加入決定後、ポステコグルー監督は「レオはMF。攻撃的な位置で起用する」と断言した。実際、ここまで出場した4試合はすべてインサイドMFで起用。フロンターレ時代に磨かれた多彩な才能は、セルティックのインサイドMFとしてさらに伸ばせると、ポステコグルーはそう見ているのだろう。
セルティックのインサイドMFには多岐に渡る役割が課せられている。
中央でパスを受けたかと思えば、サイドに開いてボールを受けたりと、とにかく忙しい。中盤底の位置まで引く場面もあれば、トップ下の位置まで進むことも。状況に応じてウィンガーとポジションをチェンジし、タッチライン際のレーンから局面打開を図る場面も少なくない。事実、セルティックの3点目は、旗手のウィンガーのような鋭いクロスボールから生まれた。
英サッカーサイトの『アスレティック』は、インサイドMFが「セルティックの生命線」とし、日本代表アタッカーがこの位置で才能を存分に発揮していると指摘する。