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珍名馬で話題…『進撃の巨人』を愛する“オニャンコポン”の馬主が明かす、名前に込めた“本当の意味”「お気に入りのキャラクターです」
text by
曹宇鉉Uhyon Cho
photograph byPhotostud
posted2022/02/04 17:02
2022年1月16日の京成杯を制したオニャンコポン
2019年のセレクトセールに当歳で上場された当時は馬体が細かったというオニャンコポンだが、「しなやかに歩いていて、歩様が柔らかかった」(田原氏)。加えて購入の決め手となったのは、父エイシンフラッシュ、母父ヴィクトワールピサという血統だった。
「機会があれば、エイシンフラッシュの子供はぜひ所有したいと思っていました。ダービーはもちろん、天覧競馬の天皇賞・秋でミルコ(・デムーロ)が馬から下りて敬礼したシーンは本当にカッコよかった……。ヴィクトワールピサも2011年の震災の後にドバイワールドカップを勝ち、個人的にも非常に勇気づけられた馬です。素晴らしい父と母父に加えて、母の母サプレザも名牝ですから、800万円という落札価格は私にとって幸運でした」
実はオニャンコポンの“漢字表記”もすでに決めている
スタートを「ポン」と出て好位につける競馬でデビュー2連勝を飾ったオニャンコポンだったが、GIホープフルステークスでは11着に惨敗。ただ中間の熱発の影響もあり、田原氏は「こんなに負ける馬じゃない」と考えていた。「ホープフルより明らかによかった」という京成杯では控える競馬を覚えて、鮮やかに差し切り勝ち。皐月賞やダービーに向けて、一気に視界が開けた。
「自在性を得たのは大きな武器ですね。ダービーの2400mは少し気になっていたんですが、京成杯のような競馬ができるのであれば問題ないはず。父のエイシンフラッシュと同じように、京成杯から皐月賞のローテーションで好走してくれたらダービーも……と、つい夢を見てしまいます(笑)」
一度は馬主をやめることも考えていた田原氏だが、オニャンコポンの活躍によって「続ける決意が固まりました」。現在所有している1歳馬にも、オニャンコポンのように重層性のある、日本語的な名前をつける構想を練っているという。
さらに田原氏は、今後オニャンコポンが香港競馬で走ることになった際の“漢字表記”もすでに考案していると明かした。
「香港では『天空神』になる予定です。なんだか、いつのまにか妄想が広がっていますね(笑)。これだけファンの方に反響をいただいている馬ですから、まずはとにかく無事に、競走生活を全うしてほしいと思っています」