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《センバツ》中学時代の恩師が喜ぶ“3人そろっての甲子園” 敦賀気比の絶対的エース・上加世田頼希(3年)が信頼する2人の存在とは?
posted2022/02/01 17:01
text by
高木遊Yu Takagi
photograph by
Yu Takagi
1月28日に出場校が発表された第94回選抜高校野球大会(以下、センバツ )で、2年連続9回目の出場が決まった福井県・敦賀気比高校。
昨夏に甲子園で8強入りを果たしたが、新チームの始動が遅れた福井大会では準決勝で敗退し、3位決定戦に勝利してなんとか北信越大会の出場を掴んだ。しかし、チームは北信越大会で底力を発揮し、4試合34得点11失点という充実の内容で優勝。センバツ切符を確実なものにしたのだった。
そんな敦賀気比を引っ張るのは昨年の春と夏の甲子園をともに経験した上加世田頼希(うえかせだ・らいき)&渡辺優斗(ゆうと)のバッテリーだ。
侍ジャパンU-15でもバッテリー
2人は中学時代から強い信頼関係で結ばれている。
大阪の強豪軟式クラブ・門真ビックドリームスで春に全国4強入りをした活躍が認められ、揃って19年の侍ジャパンU-15代表に選出。中国広東省深セン市で行われた第10回BFA U15アジア選手権にも出場した。
エース格を任された上加世田は山場となる台湾戦と韓国戦に先発。当時130キロ台後半のストレートとスライダー、チェンジアップ、スプリットなどを制球良く投げ込んだ。
前年のU-15W杯で日本を破り3位に入るなど身体能力の高い台湾相手に、「ストレートとスプリットが良かったです」と振り返ったように、4回1安打無失点で試合を作った。
また、韓国戦では長打や四死球で出塁を許し大会規定による球数制限がある中で苦しい投球にはなったが、味方の好守や要所を締める投球を見せて3回途中までの登板で相手にホームを踏ませなかった。
正捕手を任された渡辺も、台湾戦では140キロ前後の球を投じる好投手たちから2安打を放ち、韓国戦ではショートバウンドの送球を上手くすくい上げて走者にタッチし先制のピンチを防いだ。さらに盗塁を刺すなどして上加世田ら投手陣を強力にサポート。好リードで大会通じて無失点の快挙に導き大会の最高殊勲選手にも選出された。
2人の活躍は日本勢として初となる大会連覇と海外開催での優勝に欠かすことはできなかった。