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フィギュア海外記者の驚き「日本は今まで彼をどこに隠していた?」 “トップ選手不在”の四大陸選手権で日本勢躍進の“大きな意味”
text by
田村明子Akiko Tamura
photograph byGetty Images
posted2022/01/30 17:04
四大陸選手権にて好成績を残した三原舞依(左)と友野一希(右)
海外記者の衝撃「彼をどこに隠していたの?」
一方男子は、チャ・ジュンファンが韓国の男子として初優勝。日本男子は全員が最終グループに食い込み、2位、3位、4位と並んだ。
SP5位から総合4位へと上がった三宅星南は、SP、フリー通して大きなミスなく滑り切り、4サルコウを合計3度成功させた。
特にフリー「白鳥の湖」は、シニアらしいスケールの大きなプログラムをと願って、宮本賢二氏に振付を依頼。憧れの高橋大輔も使った音楽で、思い入れの深い作品だという。
「日本の連盟は、今まで彼をどこに隠していたの? こんなに巧いのに」と知り合いの欧州の記者に声をかけられた。上の層が強すぎて長い間ジュニアにいた、と答えると納得したように頷いた。三宅はフリーを滑り終わった後、「(この大会の演技で)一人でも名前を憶えてくださったら嬉しいです」と口にしたが、Sena Miyakeの名前を心に刻んだファンは大勢いたに違いない。
肉離れを起こすアクシデントも、銅メダルを手にした三浦
SP3位スタートだった三浦佳生は、フリー前日の公式練習中、左の腿に肉離れを起こすというアクシデントに見舞われた。それでも4回転を3度、3アクセルを2度入れた難易度の高いプログラムを、時折痛みに顔を歪めながらも最後まで滑り切った。
「ぼくはもともと今シーズンはジュニアの選手なんですけど、シーズンがはじまったときにはこの四大陸に出れるとは全く思っていなくて、今シーズン全日本選手権がよくて派遣してもらってこうしてメダルを持って帰ることができて嬉しい。この先この銅メダル、3位という成績に恥じないように練習して、来シーズン以降も活躍できるように頑張りたいです」
ここでのメダルの意味を聞かれて、このように答えた三浦。シニアの国際大会を経験して、強化したいと感じたのはどんなところだったのか。
「まず皆さん、スケーティングがすごい上手。一歩一歩が伸びる。一希君もそうだしジュンファン選手もそうだし。そしてみんな当たり前のようにスピンステップでレベルを取ってくる。そういった部分が自分にはないので、今回はまだ許せるんですけど、次回からはぼくももっとレベルを取れるように頑張っていきたいと思います」。そう言って、さらなる成長を誓った。