- #1
- #2
フランス・フットボール通信BACK NUMBER
「いちばん最初はリバウドで…」バルセロナの女王プテラスが明かした「誰より関係が深かった」選手とは《女子バロンドーラー》
text by
フランス・フットボール誌France Football
photograph byGetty Images
posted2021/12/19 17:05
ファンのサインに応じるプテラス。バルセロナの司令塔にして美人選手だけあって、人気は絶大だ
私のバロンドール
今のこの瞬間のことは言葉に表せません。まさか自分の家でバロンドールを受け取れるなんて。嘘のようで信じられない。頭の中が真っ白になって、言葉が浮かんできませんでした。
妹のアルバがずっと前から受賞できると言っていたけど、彼女はサッカーをほとんど知らないから(笑)。でもバロンドールの価値はわかっていて、『あたなが獲るわ』と何度も繰り返していた。私は黙るばかりで何も答えられませんでした(笑)。候補に挙がっているのは素晴らしい選手ばかりだから競争はとても厳しいと説明しても、彼女は聞く耳を持たず同じことを言い続けていた。今はこう言われました。『だから言ったでしょう。あなたが勝つって』と。
私も感激したし、母も私と同じぐらい喜んでいます。長い間の努力の結果であり、家族が支え合ってきたことの成果です。だから喜びもひとしおです。家族も幸せを感じていることが、私にはとても嬉しいです。
ADVERTISEMENT
これはコレクティブな褒賞です。チームがすべての力を合わせなければ、私の受賞はあり得なかったからです。
私が受け継ぐもの
私が女子サッカーで注目されはじめたのはつい最近のことです。以前にはカミーユ・アビリやルイザ・ネシブ、ナディーネ・ケスラー……。今は若くて魅力的な選手がたくさんいます。彼女たちだけではない。男女かぎらず子供たちにはインスピレーションを発揮する無限の可能性があります。
いいものを引き出して、それが《ノーマル》であるようにする。人々の頭の中に、私たちがプロのアスリートであることを刻みつける。写真やサインをねだられるのはいい兆候です。望ましい方向に進んでいるのは間違いないし、明るい未来が待っている。村のなかを歩いていても、今は女の子がよくサッカーをしている。何よりもそのことに驚きます。私の子供時代は、女子は私ひとりだけでした。彼女たちにはいい環境でプレーして欲しい。
そして私が引退するときは自分の来し方を振り返り、男子選手、女子選手と区別するのではなく、私たちはサッカー選手として認知されたという思いを抱きたい。私たちはサッカーをプレーしている。男女の別なく同じやり方で、同等の機会を得ながら。そうあって欲しいと願っています。
記事内で紹介できなかった写真が多数ございます。こちらよりぜひご覧ください。