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“若林のツッコミが強烈すぎた”オードリーに授けた助言とは? 渡辺正行が明かす「吉本以外の芸人がM-1で苦戦するワケ」 

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澤田将太

澤田将太Shota Sawada

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photograph byYuki Suenaga

posted2021/12/18 17:01

“若林のツッコミが強烈すぎた”オードリーに授けた助言とは? 渡辺正行が明かす「吉本以外の芸人がM-1で苦戦するワケ」<Number Web> photograph by Yuki Suenaga

渡辺正行が主宰する『ラ・ママ新人コント大会』はオードリーやトム・ブラウン、ぺこぱなど多くのM-1ファイナリストを輩出している

「その日のうちにスカウトが…」爆笑問題の衝撃

 これまでに数千組の芸人のネタを見続けてきた渡辺。その中でもオードリーは、ひと目見た瞬間から「売れる」と確信したという。当時のオードリーは他のオーディションに受からず、まったく日の目を見ていなかった。しかし渡辺の一言がきっかけで、オードリーはバラエティ界の最前線に躍り出る。

「売れるかどうかは、面白さだけじゃなくて、キャラクターですよね。本当の力があるかどうかは何回も見ないとわかりませんが、キャラクター、人間性、雰囲気は最初から見えることもあります。オードリーがまさにそのパターンで、最初から“オードリーの空気”が完成していました。

 でも若林のツッコミが強烈すぎたので、『痛そうだから柔らかく見せたら?』って言ってみたんです。そうしたら、あの有名な『お前と漫才やってらんないわ』『お前それ本気で言ってんのか』『いや本気で言ってたらこんなに楽しく漫才やんねぇだろ』『へへへへへ!』っていう下りをネタ中に増やしてきたんですよ。それをきっかけに一気にブレイクしました。この話をすると、若林に『もうやめてください!』って怒られるんですけどね(笑)」

 若かりしころの爆笑問題も『ラ・ママ』の門をくぐっている。実力は当時から突出していたそうで、渡辺は懐かしそうに同コンビのエピソードを語った。

「まだアマチュアで、大学を中退した直後とかだったんじゃないかな。オーディションに来たときは持ってきたコントの尺が長くて、『2分に縮めたら出ていいよ』って言ったんです。なのにあいつら、本番で長い尺のままやったんですよ(笑)。ゴングショーって言って、面白くなかったら途中で強制終了するコーナーだったんですけど、誰も止めずに長尺のまま最後までやりきりました。その日のうちに芸能事務所からスカウトされて、番組まで決まっていましたからね。考えられないですよ」

【次ページ】 吉本以外の芸人がM-1で不利な理由

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