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プロ野球PRESSBACK NUMBER
「億を稼げる選手になれ」「ポテンシャルだけでは続かない」栗林良吏に源田壮亮… “トヨタ自動車勢”がプロで活躍できる理由
text by
間淳Jun Aida
photograph byJun Aida
posted2021/12/15 11:03
栗林良吏や源田壮亮を輩出したトヨタ自動車野球部の様子を取材した
全体練習は2時間半ほどで、他の時間は個々の選手の自主性に任されている。その分、能力を伸ばす環境が充実している。
天候を問わず打ち込みができる室内練習場。トレーニング器具には、イチロー選手も実践していた初動負荷トレーニングのマシンもある。
プールは投手陣が遠泳に使っている。専門のトレーナーと契約しているため、選手は目的に応じたメニューを組み立てられる。データ分析は2人の専門家それぞれが、自チームと相手チームを担当している。選手の弱点や傾向をデータで明確にし、パフォーマンスアップにつなげている。選手たちはクラブハウスにある専用ルームで、自由にデータを見ることができる。逢澤崚介外野手は、こう話す。
「昨年は左投手との対戦成績が良くありませんでした。どんな球で打ち取られているか、データではっきりしているので、フリー打撃は左投手にお願いしたり、ティー打撃で背中の方から投げてもらったりしています。相手投手のカウント別、場面別の配球、けん制やクイックのタイムも分析されているので、打撃だけではなく、走塁の意識も高くなります。学生時代は考えて野球をする方法が分からない部分がありましたが、トヨタでデータの活用方法を、いちから教わりました」
メジャー球団が活用するデータ分析システムも
チームは、メジャー全球団が活用している打撃や投球のデータを分析するシステム「ラプソード」を導入している。さらに、スーパースローで撮影してフォームを解析。フォームのズレが生じる動きを見つけ、ベストな形を再現できるようにしている。
他にも、目の動きを解析する「アイトラッカー」や、守備や走塁を分析するためにGPSも活用している。GPSを使うとベースランニングの改善点や、守備で打球まで最短距離で入る動きなどが見えてくる。数値化することで、調子が悪くなった原因を掘り下げたり、効率的に技術を高める方法を発見できたりする。しかも、日本が誇るトヨタの技術者も野球部のサポートに入り、最新機器を最大限に活用している。
こうした施設やデータを生かすために、選手たちに求められているのが「自己分析」だ。選手はそれぞれシーズンの目標を設定し、企業のキャリアデザインのように達成するまでの道筋をシートに記す。