舟券が外れても、歓声が上がるようなスポーツに

　テレビ出演のほかにも、YouTubeでのゲーム実況やアパレルブランドの展開など、峰は多岐にわたる活動でボートレースの普及に努めている。近年、ボートレースの人気が高まっていることについては、「すごく嬉しいですね。自分で言うのはおこがましいんですけど、僕のおかげで盛り上がっている部分もあるんじゃないかな（笑）」と喜びを隠さない。

「僕自身、ボートレースに対する感謝があるんですよ。もちろん他の選手もみんな同じだと思うんですけど、僕はその何倍も感謝している自信がある。メディアに顔を出すことによる批判もありますし、時間も奪われます。それでも、峰竜太という人間の良いところも悪いところも見てもらって、『ボートレース界にこういう人がいるんだ』って思ってほしい。『この人面白いな』って。そもそもが目立ちたがり屋なので！」

今年5月、「絶対に勝ちたい」と公言していたボートレースオールスターを制して歓喜のアロハポーズを決める　©日本モーターボート競走会

　競技外のさまざまな活動について「単純にいろんな好奇心があって、自分が楽しくてやっています。楽しそうなことは、なんでもチャレンジしてみたいタイプなんです」と語った峰だが、ボートレースへの愛情は誰よりも深い。

「ボートレースの楽しさをもっとたくさんの人に知ってほしい。ギャンブルとしての一面は確かにありますけど、そこを抜きにしても、本当に感動するスポーツなんです。舟券が外れても、お金を賭けてなくても、歓声が上がるような状況を作りたい。勝っても負けても『峰竜太を見られてよかった』と思ってもらえるようになったら、ボートレースの概念は変わっていくんじゃないかな。ボートって、レース場で見ると本当に迫力があるんですよ。どの活動も、最終的にはすべてそこにつなげていけたらと思っています」

若松ボートレース場に集ったファンの声援にガッツポーズで応える峰　©日本モーターボート競走会

　今年5月にファン投票1位で選出されたSG「ボートレースオールスター（笹川賞）」に優勝したことで、「タイトル的な目標はもうないな」と感じたという峰。現在の目標は、ボートレース界そのものを大きく、よりメジャーなものにするという“壮大な恩返し”だと明かした。

「ボートレースはスタートや最初のターンの一瞬で勝負が決まるんですけど、その裏には選手たちの深いストーリーがあるんです。怪我があったり、ライバルがいたり、負けが続いたところから這い上がってきたり……。他のスポーツに負けないくらい、すごくストーリー性が高いんですよ。勝つためにみんな必死に技術を磨いて、プロペラを叩いて、駆け引きをして、その膨大な積み重ねが一瞬に凝縮されている。当然、選手たちはとてつもない重圧を背負うんですけど、だからこそ魅力的なんです。その一瞬にかけた思いを感じてもらえるように、これからも全力を尽くしていきたいですね」

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