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「4カドの峰は峰なんよ」千鳥・大悟の名言がボートレース界のスターに与えた影響とは?「警戒されて勝てなくなりました(笑)」
posted2021/12/10 17:03
text by
曹宇鉉Uhyon Cho
photograph by
Japan Motor Boat Racing Association
飛び抜けた勝率を残している峰だけに、ファンの期待はオッズにも明確に反映される。6艇で争い、インコースの1号艇が圧倒的に有利なボートレースにおいて、アウトコースの4号艇や5号艇に入った峰が1号艇と拮抗するほどの人気になることも珍しくない。本人は「売れ方が独特ですよね」と複雑な心境を明かす。
「もちろん応援してほしいんですけど、同時に『あんまり買わないでください』って気持ちもあります(笑)。買えば買うほど僕が勝っても配当は安くなっちゃうし、勝率を抜きにすれば、1着になる確率は結局のところ6分の1なんです。僕だけスーパーエンジンに乗っているわけでもないし、先にスタートしているわけでもない。そこはいまだに怖いですし、プレッシャーもありますよ。いきなり不調に陥ったりすることもあるわけですから」
峰の強さを支える「ペラ」の調整力
ボートレースのモーターにはそれぞれ個性や良し悪しがあり、どの選手がどのモーターを使うかは開催前の抽選によって決まる。「エース」や「超抜」と呼ばれる調子のいいモーターがある一方で、なかには調子の悪いモーターも含まれている。それを少しでも改善するために、開催期間中に選手自身が「ペラ」(モーターに備え付けられた2枚羽のプロペラ)をハンマーで叩いて調整するのだが、この技術においても峰は「ずば抜けている」とデイリースポーツの山内翔太記者(ボートレース担当)は解説する。
「ペラの調整は非常に奥が深く繊細で、紙一枚レベルの角度でエンジンの出方は大きく変わってきます。SGを走るような一流レーサーはみな調整力が高いのですが、振り当てられたモーターによっては『今回は厳しいですね』で終わってしまうこともある。それでも、峰選手は絶対に戦えるレベルまで仕上げてくるんです。そこが他の選手との大きな違いですね」