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「フライングしたら税金も払えない」賞金1億円をかけた0.01秒のスタート…最強ボートレーサー峰竜太が明かす“覚悟と重圧”

posted2021/12/10 17:02

 
「フライングしたら税金も払えない」賞金1億円をかけた0.01秒のスタート…最強ボートレーサー峰竜太が明かす“覚悟と重圧”<Number Web> photograph by Japan Motor Boat Racing Association

現在、ボートレース界最強レーサーと称される峰竜太。2年連続3度目の賞金王を目指し、14日から開催されるグランプリ「賞金王決定戦」に出場する

text by

曹宇鉉

曹宇鉉Uhyon Cho

PROFILE

photograph by

Japan Motor Boat Racing Association

年々ファン層を拡大しているボートレース界には、いま、絶対的なスターがいる。佐賀県唐津市出身の36歳、峰竜太。ずば抜けた実力と明るいキャラクターでファンから絶大な支持を集める男は、ボートレーサーという職業とどのように向き合ってきたのか。14日から始まる優勝賞金1億円のグランプリ「賞金王決定戦」を前にインタビューを行った(全2回の前編/後編へ)。

 デイリースポーツの山内翔太記者(ボートレース担当)は、峰のボートレーサーとしての実力をこう語る。

「峰選手はこれまで『強い』と言われてきた一流レーサーのなかでも、さらに最高峰。どんなレースでも上位争いに食い込む安定した強さは群を抜いています。長くボートレースを見てきた記者一同の間でも『調整力も旋回力も、ここまで技術的に完璧なレーサーはかつていなかったんじゃないか』という評価です」

 ボートレーサーの能力をわかりやすく反映する数値である「勝率」において、峰は15年から20年まで6年連続で1位を獲得。昨年は2億5000万円を超える賞金を稼ぎ、2度目の賞金王にも輝いた。今年もここまで勝率、賞金ともにトップを走っており、誰もが認めるボートレース界の頂点に君臨している。

「キャラクター的にも、かつてのボートレース界にはいなかったタイプですね。底抜けな明るさがあって、泣くときは子供のように泣いて、楽しむときは全力で楽しんで……。ファンサービスも素晴らしいですし、エンターテイメントとしてのボートレースの人気を象徴している選手。競馬界の武豊騎手と同様に、公営競技の一選手という枠を超えていける存在だと思います」(山内記者)

厳しい養成所での生活も「苦にならなかった」

 峰が生まれ育った佐賀県唐津市には「ボートレースからつ」がある。幼少期からボートを身近に感じていた峰にとって、レーサーになることは現実的な選択肢のひとつだった。

「僕の親友の父がボートレーサーだったんです。子供のころから活発で負けん気の強い性格だったので、『絶対に向いているよ』と勧められてこの世界に入りました」

 峰はボートレースの世界に足を踏み入れた経緯をそう振り返った。高校時代にはヨット部に所属し、国体で4位入賞。世界選手権にも出場した。その経験が、ボートレーサーの道を選ぶうえでアドバンテージになった部分もあるのだろうか。

「水の上という共通点はありますよね。バランス感覚なんかは、ヨットの経験で勝手に身についている部分はあるかもしれません。でもそれ以上に個人競技であることや、レースで順位がつくところが、自分の性格的に向いていたんだと思います」

【次ページ】 「願望と目標は別物」地道に腕を磨いた若手時代

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峰竜太

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