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筒香嘉智はベイスターズ時代から「大器晩成スラッガー」 挫折から学び、再生してのメジャー3年目はさらに光るはず 

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広尾晃

広尾晃Kou Hiroo

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photograph byEmilee Chinn/Getty Images

posted2021/12/08 11:01

筒香嘉智はベイスターズ時代から「大器晩成スラッガー」 挫折から学び、再生してのメジャー3年目はさらに光るはず<Number Web> photograph by Emilee Chinn/Getty Images

パイレーツでついに才能の一端を見せた筒香嘉智。2022年こそシーズン全体での大活躍を期待したい

 入団から3試合は安打が出なかったものの、4試合目に2本塁打を打ってから徐々に成績が上向きになり、7月後半からは長打を連発するようになった。

 そして8月16日にパイレーツに移籍、いきなり代打で二塁打を放ち、ここから快進撃が始まった。移籍から8月末までに31打9安5本11点、率.290 OPS1.246という大活躍だった。

 入団当初、代打が多かったが、筒香はファーストストライクから積極的に打っていった。NPBで中軸打者が長かっただけに、筒香は投球をじっくり見極めることが多いが、ここに至ってなりふり構わず結果を求めていった印象がある。そうした開き直りに似たメンタルで苦境を突破したのではないだろうか。

横浜高→ベイスターズでの覚醒も5年の歳月がかかった

 筒香嘉智は横浜高校時代の2008年夏の甲子園の準々決勝、聖光学院戦で2年生ながら1試合8打点の大会タイ記録をマーク、高校屈指の強打者として注目されて2009年ドラフト1位で横浜(現DeNA)に入団した。

 当然、大いに期待された。しかしヤクルト村上宗隆のように高卒2年目で主軸を打つような目覚ましい活躍ではなかった。3年目の2012年には規定打席に到達したものの、打率は最下位。当時は内野手だったが2014年に外野にコンバートされてから打撃が向上した。中軸にどっしりと座るまでには、5年の歳月を要した。

 2015年オフ、筒香はドミニカ共和国のウィンターリーグに参加した。この年の筒香は、第1回WBSCプレミア12で中軸打者として大活躍した。その直後に、渋る球団を説き伏せてドミニカ共和国に武者修行に出向いたのだった。

 ドミニカ共和国ではレオネス・デル・エスコヒードというチームに所属し、ラファエル・デバースやホルヘ・ポランコなど、のちにスター選手になる有望株ともプレーした。ただしこの時の筒香は34打7安0本2点、打率.206 OPS.590、結果を出したとは言えない成績だった。

ドミニカでの苦しみを翌年生かした

 しかしこの体験で打撃について感得することがあった筒香は翌年、DeNAで44本塁打110打点で二冠王に輝くのだ。

「筒香君は、打てば響くように物事を要領よく理解するタイプじゃない。自分で本当に理解するまで動かないので、ちょっと時間がかかる。でも自分なりに納得出来たら、しっかり結果を出すタイプですね」

 筒香のドミニカ共和国挑戦をアテンドした関係者の話だ。

【次ページ】 パイレーツとの1年契約を選択した意図

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