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日本代表の新世代SB、中山雄太24歳に聞く“最終的なポジションは?”「どこでもやれる気持ちはあるが、現実的に言えば…」 

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了戒美子

了戒美子Yoshiko Ryokai

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posted2021/12/01 17:03

日本代表の新世代SB、中山雄太24歳に聞く“最終的なポジションは?”「どこでもやれる気持ちはあるが、現実的に言えば…」<Number Web> photograph by Getty Images

東京五輪を経て日本代表で存在感を増す24歳の中山雄太。海外挑戦もオランダで4季目を迎えている

「まあ、単純に英語が喋れなくてきついなとは思ってはいました。ただ、監督の意図としては、大事だと思っていることは周りに伝えなくてはいけない、その術となる英語が使えないなら日本語でもいいよ、と。もちろん英語かオランダ語が喋れたらベストですけどね。言葉の壁があるということで、ピッチの中でも要求や意図を表現できなくなっていたというのはすごく大きな問題だったのではと思います」

 例えば海外で、相手は日本語がわからないのに、なぜか日本語が通じてしまった、言葉そのものではなくて身振り手振りを含めた様子から意図が伝わったという経験はサッカー選手でなくてもあるのではないだろうか。その、言葉未満のコミュニケーションすら忘れるほどの状況に陥ったということだ。

「まあ今思えば苦しんでいたというか、大変そうにしていたんだろうと思いますね」

 努力もした。チームメイト、ファン・ウェルメスケルケン際には日本語を話せるにも関わらず英語での会話を頼んだりもした。とはいえ、乗り越えるのにさほど時間は必要なかった。

「日本語でこっち(オランダ)の選手に喋っても通じないじゃないですか。もちろん通じなくても喋るんですけど、それでも通じないことはあるからあとはプレーを見せようという感じで。結局プレーが良かったら大丈夫だという意識もあったので、そこはサッカーで証明しよう! という考えで乗り越えられたんじゃないかなと。結果を出してチームに貢献していれば、本当は上がるなと言われてる場面で上がっていても大丈夫だったり」

「だから仲間から“変人だな”って言われるんだと思う」

 このあたりを割り切ることは特に日本にいると難しい。勝手なプレーをするな、と指導者から怒られることもあるだろう。だが、そこはあえて思い切って割り切ったことで、結果的に言葉やコミュニケーションの壁も乗り越えた。このあたり、中山は海外向きの気質の持ち主なのかもしれない。

「だから僕、仲間から“変人だな”って言われるんだと思います、多分……。周りから言われるからそうなんだろうと思うんですけど、変と言われると嬉しいというか、それももはや変なんですけどね(笑)。

 結局自分がこう決めたことをするなら、しっかりと責任とらなくてはいけないけれど、逆に責任さえとればいいと思っているというか。下手だったら上手くなればいいだけなので。来た当初の言葉の壁も、そういう感じで。僕の持ってるメンタルなのかなと思います」

 どこか優等生タイプに見える中山の言葉は、意外に感じることの連続だった。

中山が目指す“ポジション”は結局どこなのか?

 今はズヴォレでの4シーズン目。これまで多くのポジションを経験してきたが、今季もボランチや3バックの左、左サイドバックなど相手によってポジションは変わる。日本代表では左SBに固定されているが、ズヴォレでは守備的なポジションであれば起用されることが多い。そういう意味で代表とズヴォレで求められていることは違う。左SBのスペシャリストか、守備全般を任せられる選手か。

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