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プロ野球スカウトがうなる「野田キャノン」⋯猛打の九州国際大付に“22年ドラフト候補”野田海人あり《九州王者が明治神宮大会へ》
text by
菊地高弘Takahiro Kikuchi
photograph byTakahiro Kikuchii
posted2021/11/19 11:07
11月20日開幕の明治神宮大会に登場する九州国際大付の捕手・野田海人。プロスカウトが評価するポイントとは――
「体が小さいので身長が伸びたらいいなと思うんですけど、食事をとって体を大きくして、甲斐選手くらいの選手になりたいです」
それから6カ月後、秋の九州大会に登場した野田は、立派な「2022年のドラフト候補」になっていた。
線の細さを感じさせた春よりも一回りたくましくなり、登録上のサイズは身長174センチ、体重75キロにアップしている。持ち味のスローイングは健在で、5番に入った打撃では鹿児島城西戦で高校通算5本目となる本塁打を放っている。
楽天スカウト「肩だけなら松川(ロッテ1位)といい勝負」
九州国際大付は今秋も身体能力が高い1番・センターの黒田義信ら好選手が多く、鹿児島での九州大会には多くのスカウト陣が押し寄せた。楽天の後関昌彦スカウト部長は野田に対して、こう語っている。
「今年見た高校生捕手の中ではすごくいいと思います。肩だけなら松川(虎生/市和歌山→ロッテ1位)といい勝負になるんじゃないかなぁ。あくまで素材ですが、打撃も悪くないし、一冬越えてさらに力をつけてきたら楽しみですね」
九州国際大付を指揮する楠城徹監督は現役時代に捕手としてプレーし、引退後は西武、楽天でスカウト部長を歴任した目利きである。そんな楠城監督に「野田くんの肩は今年のドラフト候補の中に入れても一番じゃないですか?」と聞いてみた。楠城監督は「その通りだと思います」と答え、野田についてこう語った。