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《阪神ドラ1》プロ入り前の今、森木大智は何を思う? 「落ちるところまで落ちたから、もういいわと」「阪神に自分は向いている」 

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菊地高弘

菊地高弘Takahiro Kikuchi

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photograph byTakahiro Kikuchi

posted2021/11/15 11:04

《阪神ドラ1》プロ入り前の今、森木大智は何を思う? 「落ちるところまで落ちたから、もういいわと」「阪神に自分は向いている」<Number Web> photograph by Takahiro Kikuchi

阪神ドラ1指名から1カ月。取材に応じた高知高3年・森木大智

 それでも、かつて自分の首を締めた、張り詰めた空気感はなくなっている。「自分を守るために逃げることも大事だな」と思えるようになった。

「中傷されても『勝手に言ってろ』と思っています」

 逃げを覚えた森木は弱くなったのかと言えば、それは違う。むしろ逆だ。森木は阪神タイガースという、熱狂的なファンやメディアに囲まれるチームに入るのが楽しみだと言った。

「阪神って野次がすごいと聞くんですけど、自分は向いていると思うんです。今は聞き流すことを覚えて、全然気にしなくなりました。この3年間でいろいろ言われすぎましたから。たとえ中傷されても『勝手に言ってろ』と思っています」

 3年前、当時中学3年生だった森木について、私はある媒体でこう記した。

〈まるで高知の初ガツオのようにたくましく、身の引き締まった肉体。天から授かった宝物を遊ばせることなく、しっかりと日々の鍛錬で磨き上げていることがうかがえた。〉(『中学野球太郎』Vol.19)

 あれから3年の時が経ち、森木は心身ともにたくましさを増している。バランスよく鍛え抜かれた肉体は、旨みを蓄えた「戻りガツオ」のようだ。

「甲子園出場」という勲章は手に入れられなかった。だが、森木にしか得られなかった経験は、これから甲子園をホームグラウンドとして戦う森木大智という投手の背中を力強く押してくれるに違いない。《阪神タイガース、今季総括編も読む》

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