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最高時速は“競走馬並み”の60キロ!“ある目的”でモフモフのアルパカが爆走する癒しレースに密着《馬券ならぬ「パカ券」も買える》
posted2021/11/12 06:00
text by
NumberWeb編集部Sports Graphic Number Web
photograph by
Takuya Sugiyama
秋の競馬シーズン真っただ中、馬ではない“意外な動物”が全力疾走するレースがあるのをご存じだろうか?
その名も「アルパカダービー」。
長野県の八ヶ岳アルパカ牧場で連日開催されている、モフモフ動物による癒しレースを一目見ようと、全国から多くのファンが訪れている。
舞台は牧場内に設置された約90mの直線コース。生後3カ月ほどの赤ちゃんアルパカから、8歳の中堅アルパカ(人間で言うと40歳ほど)が激走する。
競馬よろしく“ダービー”と言うからには、ただ競走を眺めるだけでは終わらない。ここでは「馬券」ならぬ「パカ券」を購入してアルパカを応援することができるのだ。一枚500円の「パカ券」はレースで一着になるアルパカを予想する方式で、見事的中すると1000円分のお買い物券として利用できる(外れても、500円分のお買い物券として利用可能)。
同牧場の責任者である井手真哉さんに、レース誕生のきっかけや楽しみ方を教えてもらった。
◆◆◆
アルパカは最高時速60キロ!
――そもそも、なぜアルパカが走るイベントを開催しようと思ったのですか?
井手さん アルパカは本来、おとなしい、ゆったりした性格の動物です。でも実際は、時速60キロものスピードで走ることもできるんです。ただ触れ合うだけではなく、お客さんに動きのある一面を見てもらえたらと考え、2016年から開催しています。
――競走馬(一般的なスピードは60~70キロほどと言われている)と比べても遜色ないスピードなんですね。レースをするにあたって、アルパカたちにはなにか特別な訓練をされているのでしょうか?
井手さん 実は、レースの練習をさせたことは1回もないんですよ(笑)。
アルパカがゴール目がけて“激走”する理由
――ではなぜアルパカたちはゴール目がけて走り切ることができるんですか?
井手さん レースに出走するアルパカは、オスか子どものアルパカです。そしてゴール付近は普段からメスのアルパカが生活するエリアになっています。オスは「メスに近づきたい!」という一心でゴールに向かって走ります。一方、子どもには「早くお母さんの元に戻りたい!」という意識があるので、その習性を活かしてゴールまで走らせているんです。