沸騰! 日本サラブ列島BACK NUMBER
馬体重350kgの“超小柄なアイドル”メロディーレーンが有馬記念へ! 菊花賞馬タイトルホルダーと「夢の姉弟対決」なるか
posted2021/11/06 17:02
text by
島田明宏Akihiro Shimada
photograph by
AFLO
いささか気が早いが、年末のグランプリに向けて、楽しみな報せが飛び込んできた。
JRA最少馬体重優勝記録を持つメロディーレーン(牝5歳、父オルフェーヴル、栗東・森田直行厩舎)の陣営が、来月の第66回有馬記念(12月26日、中山芝2500m、3歳以上GI)を目指す意向を表明したのだ。
先月末の古都ステークス(10月31日、阪神芝内回り3000m、3勝クラス)を勝ってオープン入りしたばかりだから、収得賞金順に出走が決まるGIだと除外される可能性が大きい。しかし、ファン投票の順位で出走が決まる有馬記念なら出られる可能性が大きくなる。ファン投票で少しでも有利になろうと、早めに出走の意思表示をしたのだろう。おそらくこの戦略は正解だ。今の人気ぶりなら、2018年のオジュウチョウサン同様、かなりの確率で選出されると思われる。
なぜメロディーレーンはこんなに人気があるのか。
それは、体が小さいからだ。いや、正しくは、小さいのに強いからだ。そして、ひたむきな走りで全力を発揮し、いくつものドラマを見せてくれるからだ。
JRAの「最少馬体重記録」を次々と更新
メロディーレーンは2016年2月12日、新ひだか町の岡田スタッドで生まれた。馬主は同牧場の代表でもある岡田牧雄氏。
岡田スタッドの代表的な生産馬には2007年の有馬記念を制したマツリダゴッホ、2010年から東京大賞典を連覇するなどダート路線で活躍したスマートファルコンなどがいる。
岡田氏によると、同牧場の襟裳のイヤリング(中期育成施設)は山の中にあり、風速50m近い強風が吹き、シカやアライグマやヒグマが出る。そうした過酷な環境で歩き回ることによって運動量が多くなり、丈夫で、強い馬に育つのだという。
メロディーレーンがデビューしたのは2018年10月13日、京都芝1600mで行われた2歳新馬戦。単勝351.7倍の16番人気で10着だった。そのときの馬体重は336kg。これは、2歳牝馬のJRA最少馬体重出走記録であった。