「コミュニケーションをとりながらよくやっているなとは思いました。ただ攻撃における采配は別として、もっとピッチャー中心に見られるはずなのになって……」

　どこか悔しさを漂わせながら野村氏はつづけた。

「僕は今季、投手交代をどうするのか興味をもって見ていたのですが、何て言うのか、球数で見極めるのではなく、ボールの質で見極める交代のタイミングはもっとあったんじゃないかなって。本人が球数よりボールの質を見てもらいたいタイプでしたからね。これは毎年のことでもあるのですが、規定投球回数に届くピッチャーがいないじゃないですか（今季はゼロ）。厳しい言い方になってしまいますが、そんなチームは勝てませんよ」

　得点力も大事だが、投手力の整備と充実は当然無視できるものではない。

必要なのは「タフなピッチャー」

「僕は三浦監督ならそれができると思っているんです。DeNAにはいいピッチャーが揃ってはいるけどタフなピッチャーがいない。ですから三浦監督にはぜひ“強いピッチャー”を作って欲しい。もう、この秋から」

　チームは捲土重来のため、来季に向けて動き出さなければならない。

「勝ちきるためには何度も言いますが、開幕から先発ローテーションを揃えること。来季は今永を中心に、今季復帰した東克樹や後半好調だったロメロに大貫がローテ候補。濵口遥大だってこのままじゃ終われないでしょうし、上茶谷大河や京山、阪口も控えている。さらにドラフトで獲得した小園健太を間隔を空けて起用していくのか。こう考えればローテーション候補はすぐ7～8人出てくるわけですから、しっかり整備してもらいたいですよね」

　また今季危機的状況に陥ったクローザーだが、若手の伊勢大夢を試したもののプレッシャーから思うようにいかず、やはり困難なポジションだと再認識させられた。

「ええ、簡単ではない場所ですよ。国内FA権取得で山崎は来季どうなるかわかりませんが、彼や三嶋、エスコバーを含めてどうやっていくのか。あるいは難しいかもしれませんが、クローザーを任せられる新たな外国人投手を獲得するという手段もあります。いずれにせよ、ここを安定させなければ上を目指せるチームにはなれません」

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