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「カラフルだね(笑)。カッコいいよ」新庄剛志の“巨大リストバンド”に、02年ジャイアンツ時代の指揮官が語っていた意外な本音

posted2021/10/29 17:02

 
「カラフルだね(笑)。カッコいいよ」新庄剛志の“巨大リストバンド”に、02年ジャイアンツ時代の指揮官が語っていた意外な本音<Number Web> photograph by Getty Images

2002年、ジャイアンツに所属していた新庄剛志と当時のベイカー監督

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ナガオ勝司

ナガオ勝司Katsushi Nagao

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 メジャーリーグでも、日本プロ野球でも、長いキャリアを持つ「野球人」には、ファンやメディアが「なるほどなぁ」と思うような豊かな表現能力がある。アストロズのダスティ・ベイカー監督もその一人だろう。

 たとえば、彼のトレードマークであるTooth Pick=爪楊枝について――。

 ダッグアウトの階段の最上段で戦況を見守りながら、時には口元で器用にクルリと反転させる爪楊枝。昭和の人なら「木枯し紋次郎」、野球にこじつけて言えば、いつも葉っぱをくわえている漫画「ドカベン」の岩鬼正美を思い出すかも知れない。

トレードマークの爪楊枝の由来

「元を辿れば、親父がそうしていたんだけどね」

 べイカー監督がそう言ったのは2002年の夏、彼がまだジャイアンツ監督だった頃だ。当時、エクスポズ(現ナショナルズ)の大家友和投手(現ベイスターズ二軍投手コーチ)を取材した関係で、モントリオールのオリンピック・スタジアムの一塁側クラブハウスの前にいると、三塁側で仕事を終えたベイカー監督がやって来て、「ここ、いいかな?」と言って、自分が座っていた簡素な長椅子の端に腰かけた。

 カジュアルな出で立ちのベイカー監督は、旧友(というよりは尊敬すべき先輩だろう)でエクスポズのフランク・ロビンソン監督が出てくるのを待っていた。前から気になっていた自分の好奇心を閉じ込めることが出来ず、簡単に自己紹介した後、「どうして、いつも爪楊枝をくわえているんですか?」などと聞いてしまった。

 すると彼は、ふふん、と鼻で笑うようにしながら、前出のようにお父さんの話をし、やがて、爪楊枝のない口を開いて、こう教えてくれた。

「もっとも、それを思い出したのはずっと後のこと。現役を退いて打撃コーチをしていた時、ある試合で負けている時に選手たちが”ラリー・ディップ(縁起担ぎの噛み煙草)”ってのをやり始めて、試合を逆転しちゃったものだから、それ(噛み煙草)がほぼ毎日になってね。ある日、歯科医に行ったら、歯周病になっていることが分かり、歯科医から解決策として、スーパーに売ってる爪楊枝を噛み煙草代わりにすることを勧められた。それが”こいつ”の始まりなんだ」

 こいつ、と言いながら、ベイカー監督は口元の爪楊枝を指差した。

【次ページ】 新庄剛志の巨大リストバンドを見て「カラフルだね(笑)」

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