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4回転を跳んで「簡単な内容でした」…スケートアメリカ優勝・トゥルソワの“鋼のような筋肉”が示す北京への本気度〈体格比較も〉 

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田村明子

田村明子Akiko Tamura

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posted2021/10/28 17:00

4回転を跳んで「簡単な内容でした」…スケートアメリカ優勝・トゥルソワの“鋼のような筋肉”が示す北京への本気度〈体格比較も〉<Number Web> photograph by Getty Images

スケートアメリカにて優勝を果たしたロシアの17歳、トゥルソワ。

「パンデミック前、あなたは表彰台を独占した3人のロシア女子の1人でした。昨年はコーチを変えてみたりなど迷った時期もあったようですが、そこから今に至るまでの過程について少し教えてください」

 そう聞くと、トゥルソワはまっすぐ筆者に視線を向けて落ち着いた声で語り始めた。通訳はこのように訳した。

「ええ、今の私は以前と比べてとても変わりました。外見も、中身も。いつも常にもっともっとうまくなって、強くなっていきたいと思っているのです。コーチを戻したことは、後悔していません。エテリ(・トゥトベリーゼ)のやり方は、私に合っていると思います」

体が成長するにつれてジャンプミスも増え、焦りもあった

 現在17歳のトゥルソワはジュニアの時代、女子として初めて4ルッツ、そして4+3のコンビネーションで跳ぶなど、次々とジャンプの記録を作って注目されてきた。2019年秋にシニアに上がってきた時は、次の世代のロシア女子を牽引するのは彼女だと誰もが思った。

 ところが少しずつ体が成長するにつれてジャンプミスも増え、同じ門下生のアリョーナ・コストルナヤ、アンナ・シェルバコワなどに追いつかれ、追い越された。2019年GPファイナル、ロシア選手権、そして2020年欧州選手権でも3位。気が付いたらロシアの3番手になっていた。

 彼女の中にも焦りがあったのだろう。2020年5月に長年指導を受けてきたエテリ・トゥトベリーゼのチームから、エフゲニー・プルシェンコの元に移ったのだ。だが2020年ロステルコム杯で4位、ロシア選手権で再び3位となり、ストックホルム世界選手権でも3位に終わった後、2021年5月にトゥトベリーゼの元に戻ることを発表した。

【次ページ】 “鋼のような筋肉”から伝わる北京への本気度

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