将棋PRESSBACK NUMBER

《祝・文化勲章》長嶋茂雄の深い将棋愛「飛車と角のツーウェイ・アタックですよ！」中原誠名人と記念対局…その内容とは

posted2021/10/26 17:10

プロ野球界のスーパースター長嶋茂雄も将棋で「勘ピューター」を磨いていたようだ

text by

田丸昇Noboru Tamaru

PROFILE

photograph by

Sports Graphic Number

「ミスター・ジャイアンツ」こと長嶋茂雄氏が10月26日に野球界初となる文化勲章の受賞が決まった。その長嶋が現役最後の試合での引退セレモニーで、「わが巨人軍は永久に不滅です」という名文句を語ったのは47年前のこと。その後、巨人軍の新監督に就任した長嶋は、中原誠名人との将棋の記念対局に臨んだ。ミスターの盤上での奮戦ぶりを紹介する。【敬称略。棋士の肩書は当時】

　1974（昭和49）年10月14日。読売ジャイアンツ（巨人軍）での17年間の選手時代に、MVP5回・首位打者6回・本塁打王2回・打点王5回などの大記録を打ち立て、勝負強さと華麗なプレーでファンを魅了してきた「ミスター・ジャイアンツ」こと長嶋茂雄が現役最後の試合を迎えた。

長嶋の現役時代の華麗なフィールディング　©BUNGEISHUNJU

すべての写真を見る（38枚）

　巨人軍のホームグラウンドの後楽園球場には、長嶋の現役最後の英姿を見るために、当日は早朝から多くのファンが詰めかけて超満員になった。
　
　長嶋は中日ドラゴンズとのダブルヘッダー第1試合で、通算444号のホームランをレフトスタンドに打ち込んだ。第2試合では通算2471本目のヒットをセンター前に打った。

　そして、長嶋は8回裏の1死一、三塁の場面の最終打席で、力強く振った打球はショートゴロ併殺打となり、1973年まで巨人軍の9連覇を達成してきた名将・川上哲治監督が立つ一塁コーチスボックスの横を走り抜けていった……。

　試合後に球場で行われた引退セレモニーでは、スポットライトを浴びた長嶋がマウンド上に立ち、ファンや選手らが注視する中で、歴史に残る名文句で挨拶した。

「私は今日、引退をいたしますが、わが巨人軍は永久に不滅です」