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「マスターズが10だとしたら、今は1もない」“悪い状態だった”松山英樹はなぜ優勝できた? 試合後に明かす《最高のドラマ》の勝因 

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舩越園子

舩越園子Sonoko Funakoshi

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photograph byGetty Images

posted2021/10/25 11:04

「マスターズが10だとしたら、今は1もない」“悪い状態だった”松山英樹はなぜ優勝できた? 試合後に明かす《最高のドラマ》の勝因<Number Web> photograph by Getty Images

米ツアー通算7勝目を挙げた松山英樹。2位に5打差をつける通算15アンダーでの優勝だったが、苦しみながら掴んだ勝利だった

 秋晴れに恵まれた最終日。34歳の米国人選手、キャメロン・トリンゲールに1打差の単独首位で1番ティに立った松山は、なかなかスコアを伸ばせず、我慢のゴルフを続けていたが、6番で会心のイーグルを奪い、2位との差を2位に広げた。

 しかし、8番のボギーで1打差に戻り、9番、10番で連続バーディーを奪ったトリンゲールに追い抜かれて2位へ後退。

 それでも諦めず、11番、13番、15番でバーディーを重ねて首位を奪還すると、トリンゲールとの差を1打差、2打差と広げていった。

 勝利を確信したのは「最後のイーグルチャンスに付いてからです」。

 72ホール目のパー5。フェアウエイからの第2打がグリーンを捉え、ピン2メートルに付いたとき、松山は今週初めて、ほっと胸を撫で下ろした。

 松山はイーグル、トリンゲールはボギーとなり、最後の最後に2打差は5打差へ広がって、数字の上では圧巻の7勝目が決まったが、そこに至る道程は、ずいぶん長く険しかった。

 ショットの不調を跳ね返し、圧勝を飾ることができたのは、果たして、なぜだったのか。松山はしみじみ、こう振り返った。

「ゴルフの状態は今日も2か3だった。結果としては8ぐらいまで上がったけど、上がった要因は応援してくれたたくさんの人々のおかげしかない。自信が持てるゴルフではなかった。でも、コースに出たら、たくさんの人々の応援が力になり、スイングのことを気にせず、ただゴルフができた」

 日本人としてもアジア人としても初めてマスターズを制し、米ツアー通算7勝目を飾った松山が、何より感謝していたのは、大勢のファンの応援のおかげで「ただゴルフができたこと」。

 その結論は、ドラマの最高の締め括りだった。

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