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「ちゃんと答えます」古賀紗理那が明かした東京五輪とケガのこと、「私、何のために復帰するの?」から再びスイッチが入った理由
text by
田中夕子Yuko Tanaka
photograph byAFLO SPORT
posted2021/10/14 06:00
東京五輪を終えた後、バレーボールと離れた時間を過ごしたという古賀紗理那。頭の中を整理しながらリーグ戦へと気持ちを切り替えていた
「“チームワーク”って簡単に言うけれど、本質を勘違いしている人が多い気がするんです。チームワーク=仲良しではなくて、別に仲が悪くても、チームが勝つためにこの選手を活かそう、そのためにそれぞれ何をすればいいか考えて動ければチームにとっていいことだと思うし、そういうところが欠けているんじゃないかな、と感じたんです。
もちろん人によって感じ方は違うし、私は純粋に意図が知りたいから『どうしてそうしたの?』と聞くけれど、そう言われたら圧として受ける選手もいるかもしれない。だから言い方は気をつけながら、相手の目をしっかり見て“あなたにこれをやってもらわないとチームが困る”と伝わるように言うべきことは言う。それが、チームのためにもなると思うんです」
言うべきことは言い、コートではプレーで示す。間もなく始まるⅤリーグに向け、ようやくエンジンがかかり始めたが、残念ながら右足首の状態は、まだ万全とは言い難い。引き続きリハビリを続け、シーズン後半に向けてコンディションを上げたいと前向きにとらえる中、「これだけは勘違いしないでほしいし、ちゃんと伝えてほしい」と語気を強めた。
「捻挫してもすぐ復帰できるとは絶対に思わないでほしい。特に中高生の頃は、捻挫なんてケガじゃない、と選手も指導者も考えがちですけど、オリンピックじゃなければ私もあんな無理はしなかったと思うし、捻挫を甘く見ちゃいけない。ちゃんと休んで腫れが引いてからリハビリ、走る、ジャンプと段階を踏まないと絶対にダメだ、と強く書いて下さい」
自チームだけでなく、次世代へも警鐘を鳴らす。その姿にまた頼もしさを感じ、思わず尋ねた。3年後、パリ五輪はどうする? と。
即答だった。
「全然。考えてもいません(笑)。でも、女子バレーは面白くない、と思われないように、熱くなるような試合を見せたいですよね」
先のことはわからない。ただ、確かなこともある。
あっという間の1年が、また、始まろうとしている。
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