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「7二銀で詰みますよ!」藤井聡太三冠のスゴさと大はしゃぎに癒される… 観る将マンガ家が描く《9月の将棋ハイライト》 

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千田純生

千田純生JUNSEI CHIDA

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photograph by日本将棋連盟/Junsei Chida(illustration)

posted2021/10/02 17:02

「7二銀で詰みますよ!」藤井聡太三冠のスゴさと大はしゃぎに癒される… 観る将マンガ家が描く《9月の将棋ハイライト》<Number Web> photograph by 日本将棋連盟/Junsei Chida(illustration)

藤井聡太三冠とマンガで描く9月の将棋ハイライト

 なお隣の対局は福崎文吾九段と澤田真吾七段だったのですが、おやっと思ったのは最終盤のこと。

 澤田七段が福崎九段の時計のボタンを勢いよく叩いて対局が終わったので……何事かと思ったら福崎九段がタイムオーバー寸前だったので、福崎九段が指した瞬間、代わりにボタンを押したようですが間に合わず切れ負けしたようです。

 決勝では久保利明九段に勝利して関西の出場権を得た澤田七段ですが、福崎九段との一瞬に言いようのないカッコよさ、プロ棋士としての男気を感じました。

 そして2枚目のイラストでも触れる伊藤匠四段(10月10日で19歳!)ですが、9月28日の王位戦予選で永瀬拓矢王座に勝利しました。幼少期に藤井三冠との対局に勝利し、「藤井三冠を最後に泣かせた相手」とのエピソードを持つ(でもABEMAトーナメントでは超初々しい)伊藤四段ですが、“藤井世代”と呼ばれる1人になっていくのかも……と想像するだけでも楽しみです。

藤井三冠「7二銀で詰みますよ!」の楽屋動画

(2)熱戦連続の王座戦、アベトナはチーム藤井が制覇

 タイトル戦では、前述した王座戦が熱戦の連続となっています。9月1日に開催された第1局は評価値が上下に大きく揺れ動く激しい戦いの末、128手で挑戦者の木村一基九段が戦勝を果たしました。

 しかし続く第2、3局と永瀬王座が連勝し、2勝1敗と一歩リード。ニックネームなどで表現すると「バナナ大好き軍曹vs将棋の強いおじさんで千駄ヶ谷の受け師」というナゾのスケール感ですが(笑)、各局ともお二方の棋風がぶつかり合っており、目が離せない戦い続きです。

 あと第3局の“将棋めし”でともに名物の「陣屋カレー」の一手だったのも興味深かったです。少しずつ旅行も行けるようになりそうなので、ぜひ今度妻と対局場の「元湯陣屋」を訪れて、棋士気分を味わってみたい……。

 そしてエンタメ度の高い棋戦として楽しませてもらった第4回ABEMAトーナメント王者が、ついに決まりました。

 準決勝では“パワーストーン効果”で? 深浦康市九段が藤井聡太二冠(当時)に勝利するなどもありましたが、決勝はチーム藤井の「最年少+1」とチーム木村の「エンジェル」の激突。第1局で木村九段が伊藤四段に先勝すると第4局で伊藤四段がリベンジ、順位戦B級1組で6連勝と絶好調の佐々木勇気七段も奮闘するなど熱戦の連続の末に、「最年少+1」が5勝3敗で制しました。

 優勝賞金1000万円の使い道について聞かれて伊藤四段が「お世話になった先輩たちを……」と言っていたのは、初々しいかわいさがありました。

 そんな決勝で勝利を大きく手繰り寄せたのは藤井三冠の3勝でしたが……ABEMAの楽屋動画を見ると、とにかく楽しそうでした。

【次ページ】 「すごい藤井三冠」と「キュートな藤井くん」

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