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〈47年ぶりの三冠達成〉21歳早田ひなが明かす“出られなかった東京五輪”「めちゃくちゃありがたみを感じました」 

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高樹ミナ

高樹ミナMina Takagi

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photograph byAi Hirano

posted2021/10/07 17:00

〈47年ぶりの三冠達成〉21歳早田ひなが明かす“出られなかった東京五輪”「めちゃくちゃありがたみを感じました」<Number Web> photograph by Ai Hirano

アジア選手権で日本勢として47年ぶりの三冠(混合ダブルス、団体、シングルス)を達成した早田ひな

「信頼してもらってすごく嬉しいですし、ビクトリーマッチに出してもらうからには絶対に負けたくない。プレッシャーがかかる中、チームメートも『ひなちゃんなら大丈夫!』と送り出してくれて、自分は一人一人の思いを受けてあのコートに立っています」

団体戦好き「自分の良さを出していけることが多い」

 特に団体戦は早田の闘志に火をつける。

 地元福岡の名門・石田卓球クラブで4歳のときに卓球を始めた早田は、小学生の頃から年代別の全国大会で団体戦を経験し、中学でも全国中学校卓球大会、高校では全国高等学校総合体育大会(インターハイ)で団体戦を戦って、チーム戦の醍醐味に魅せられてきた。

「卓球は個人競技なんですけど、団体戦の方が自分の良さを出していけることが多いかなって。チームメートが喜ぶ顔が見たいから頑張れるし、みんなで1点ずつ取るのが好きだし、勝った喜びを仲間と分かち合いたい気持ちが強いんです。あと応援するのもされるのも力が湧いてきます」

 早田の声援は実によく通る。Tリーグでもそうだが、東京五輪の会場でも代表メンバーのタイプに合わせた声かけで選手を後押しした。特に同い年で切磋琢磨する伊藤、平野のことは手に取るようにわかるようだ。

「例えば伊藤選手だったら、戦術を考えるのは上手いタイプで、逆に体や気持ちが硬くなってしまうことがあるので、伊藤選手がいつも言っている『楽しんで!』と声をかけたり。平野選手は不安や迷いがあってミスしたときに『それでいいよ!』と背中を押すような声をかけます。その方が"ハリケーン化"が進むタイプなので」

 そう言って、けらけらと笑う早田。

 Tリーグ1季目の'18-'19シーズン、3季目の'20-'21シーズンで前期MVPと年間MVPに輝いた実績からも、団体戦は彼女の真骨頂と言えるだろう。

早田率いる日本生命は4連覇なるか

 その早田がエースを張る日本生命レッドエルフは今シーズンも選手層が厚く優勝候補の筆頭だ。

 これまでチームを引っ張ってきたダブルス巧者の前田美優が開幕直前に現役引退を発表し、母校の希望が丘高校時代から前田と一緒だった早田は、「ダブルスは美優さんがいるから絶対に大丈夫という安心感をチームに与えてくれた大きな存在。私自身、気持ちの部分でサポートしてもらったり勇気づけられたりしてきた」と頼れる先輩の離脱を惜しむ。だが一方では、'19年ワールドツアー・グランドファイナルでダブルス優勝などの実績がある長﨑美柚が加入し、戦力アップに期待を膨らませる。

「Tリーグ4連覇に向けて、選手一人ひとりが1点を取るという気持ちで頑張っていきたい。日本生命レッドエルフらしいメンバーの明るさや元気のいいプレーを出していきたいです」

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