濃度・オブ・ザ・リングBACK NUMBER
「母に伝えた時は…泣かれましたね」パワーリフティングでも優勝した“セクシー女優”が、本気でプロレスに挑戦するワケ
text by
橋本宗洋Norihiro Hashimoto
photograph byNorihiro Hashimoto
posted2021/09/13 17:00
9月14日にデビュー戦を迎える、“筋肉女子YouTuber”でセクシー女優でもあるちゃんよた
「少しでもイメージが変わればいいなと」
P.P.Pでのデビューが決まる以前、入門を断られた団体もある。デビュー戦の相手もなかなか決まらなかった。
「そこは結果で、試合を見てもらって変えていくしかない。本人がどれだけ真面目にやっているかが伝われば」(三富)
あらためて“世間の目”に直面して意外に思う部分もあったとちゃんよた。
「母にプロレスをやると伝えた時は……泣かれましたね。娘が人に殴られてるところなんて見たくないし、殴ってるところも見たくないって。そういう反応があるのは仕方ないですね。でも、できればプロレスに抵抗がある人ほど私の試合を見てほしい。少しでもイメージが変わればいいなと。それはAVに関しても同じですね」
P.P.P.は「令和にバブルを」をスローガンにしたバラエティー色を強く打ち出したイベントだ。9.14新宿大会はアダルトグッズブランド「SOD BASARA」とのコラボ開催。K-1ファイターの京太郎を招いての「公開特訓」など話題作りも派手にやっている。
だがその根底には「何くそという気持ちがあるんです」と三富。慶應大学卒で、大手広告代理店の博報堂に勤務しながらレスラーをやっていた。数年前、一念発起して会社を辞める。だがその後、所属団体も退団。そこから苦闘を続けてきた。
会社勤めの経験があるだけに、一般社会とは違う“常識”があるプロレス界とは肌が合わなかったと本人は感じている。プロレス界にいてもプロレス界の常識に潰されたくないと三富。同じように「まとも」な感覚のあるちゃんよたを「健全に」育てたいとも。
「まだデビュー前なので、具体的な目標はないです。ただ他の女子団体の選手と比べても遜色のない、しっかりした実力のあるプロレスラーになりたい」(ちゃんよた)
将来的に女性専用のジムを作りたいという展望もあったが、今はプロレスという目標ができ、まず自分のことに集中したいという。活動自体のテーマは「デカく、強くなること」だ。