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《パ・リーグ前半戦おさらい》ソフトバンク苦戦も数字で見ると… 金メダリスト山本由伸と吉田正尚でオリックス25年ぶりVなるか
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広尾晃Kou Hiroo
photograph byKyodo News
posted2021/08/12 17:05

金メダリストとなった山本由伸と吉田正尚擁するオリックスはパ・リーグを制覇できるか
東京五輪のエース、オリックスの山本は昨年もトップクラスの成績で最多奪三振のタイトルを獲得したが、今季は山本に加えて宮城も素晴らしい成績。打の吉田、投の山本、宮城とリーグ有数の戦力で首位に躍り出たことが分かる。山本は奪三振も121で2位の宮城に27差をつけてダントツの1位だ。意外なことに山本は2けた勝利に達したことがなかったが、今季は間違いないだろう。
いい内容を見せていた各球団のリリーフは誰?
3位の平良、4位の松井、8位の河野、9位の佐々木、10位の安樂と、救援投手の躍進が目立つ。投球回数は少ないがずば抜けた防御率で上位に名前を連ねている。貢献度は極めて高い。
特に平良は「39試合連続無失点」のNPB記録を樹立。現時点でも自責点はわずか1と空前の成績を残している。
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現時点で最多セーブは松井の23、最多ホールドは21で平良と日本ハムの堀瑞輝が並んでいる。ただ平良は現在、クローザーに転向しているのでホールドはそれほど増えないはずだ。
「後半戦」と言うが、残り試合は55試合から62試合。すでにペナントレースは3分の2近くを消化している。のこり2カ月ほどの日程。1カ月のブレークの間に各球団はエキシビションマッチで実戦感覚を磨いたが、いかにスタートダッシュを切ることができるかがポイントだろう。
特に前半戦で故障や不振で十分な成績を上げられなかった主力選手を戦力化できたチームが盛り返すだろう。例えばソフトバンクならモイネロ、日本ハムなら大田泰示などが戦力に加われば、チーム力は相当アップするはずだ。それに加えてオリンピックで千賀滉大に使えるめどが立ったのは大きいのではないか。
投打ともにランキングの上位には、東京五輪で侍ジャパンのユニフォームを着て活躍した選手も多い。国際大会の後には、故障しないまでも「燃え尽き」状態になる選手も過去にはいた。元のチームに復帰して、前半戦と変わらず活躍できるのかについても注目したい。
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