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「持てる力は出し切った」が…攻めの采配で疲弊した選手を救えなかったか 「よくやった」で終わらずW杯でリベンジを《U-24日本代表》

posted2021/08/07 11:10

 
「持てる力は出し切った」が…攻めの采配で疲弊した選手を救えなかったか 「よくやった」で終わらずW杯でリベンジを《U-24日本代表》<Number Web> photograph by JIJI PRESS

メキシコに一矢を報いた三笘薫のゴール。本来の輝きを放った背番号11をもう少し長く……との思いもよぎる

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飯尾篤史

飯尾篤史Atsushi Iio

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JIJI PRESS

 重苦しい雰囲気が漂うメキシコ戦後のミックスゾーンに、キャプテンの吉田麻也がチームメイトと同じように神妙な面持ちで現れた。

 心境を問うと、しばらく沈黙したあと、意外な表情を見せた。

 笑みをたたえたのである。

 もちろん、マスクをしているから口元が見えたわけではないが、目尻の下がった様子から、笑顔を浮かべたことがはっきりと伝わってきた。

「負けるべくして負けたと思う」

 すべてを出し切ったという、ある種の清々しさがあった。

「いや、もう今日に関しては完敗です。負けるべくして負けたと思うし、メキシコが勝ちに値する戦いを見せたと思います」

 銅メダルを懸けた8月6日の3位決定戦の相手は、グループステージ第2戦で2-1と下したメキシコだったが、日本は1-3で敗れた。

 0-0のまま進めながら相手を揺さぶって疲弊させ、先制点をモノにするというゲームプランは13分に早くも崩れた。PKを与えて失点すると、22分にはFKからヘディングで決められ連続失点。58分にもCKからゴールを許して突き放された。

 途中出場の三笘薫がようやく彼らしいパフォーマンスを見せ、78分に豪快な突破から名手ギジェルモ・オチョアの守るゴールを破ったが、一矢報いるのがやっとだった。

「セットプレーの脅威は1試合目(グループステージでの対戦)から分かっていましたけど、そこを防げなかったのは痛いですし、立ち上がりに失点してしまったのも痛い。ダメなものがすべて出てしまったと思います」

 吉田は反省の弁を口にしたが、それ以上に厳しい言葉を並べたのは久保建英だった。ピッチ上で号泣した久保は時間を経て落ち着いたのか、冷静に分析した。

【次ページ】 「同じ相手にこれほど違う試合をしちゃうか」

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