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「美誠が100%なら誰にも負けない」伊藤美誠を中学から支える松崎コーチが語ったトレーニングと強さの秘密《初の金メダル》
posted2021/07/27 17:05
text by
佐藤俊Shun Sato
photograph by
STARTS CORPORATION
東京五輪 卓球女子シングルス日本代表内定の伊藤美誠(スターツ)が4月の卓球の世界ランキングで2位になった。日本人最高位となり、名実ともに世界の卓球界におけるトップランナーのひとりになったと言える。
伊藤の中学入学と同時により良い練習環境を求めて静岡から大阪に越し、二人三脚で世界への階段を一歩ずつ上がってきた。リオ五輪の団体戦で銅メダルを獲得した後は結果が出ない時期もあったが、今や中国勢に『大魔王』と恐れられる存在にまでなった。
その伊藤を支え、サポートしてきたのが、松崎太佑コーチ(崎は本来はつくりの上部が「立」)である。リオ五輪以降、伊藤の成長と指導について、松崎コーチに聞いた。
――4月7日、緊急事態宣言が出て、大阪は5月21日に解除されました。3月から自粛ムードが続きましたが、練習におけるコロナ禍の影響はありましたか。
「練習については、限られた環境でしたが問題なく出来ていたと思います。ただ、オフの日の過ごし方が難しかったですね。自粛前、美誠は外に遊びに行って卓球のストレスを発散していたんです。でもそれができなくなって家で片付けしたり、ドラマを見たり、オフに家に籠ることで最初の頃はなかなかストレスを発散し切れていませんでした」
――それは練習にも影響したりしましたか。
「練習の時、ちょっとイライラしているなっていうのは前よりもありました。1回だけ言い合いにもなりましたね(苦笑)。でも、今はコロナで制限されている中での生活を受け入れて、ストレスも以前ほどではなくなったと思います」
――松崎コーチは、自粛によるストレスは。
「もちろん前よりは多少、ストレスはありましたけど、美誠ほどじゃなかったです。基本的に卓球が好きなので自宅で卓球の動画を見ていたり、けっこう最初から自粛生活を受け入れることができました。ようやく緊急事態宣言が解除されましたけど、感染してしまうと練習ができなくなってしまうので、そこは引き続き細心の注意を払って生活していかないといけないと思っています」