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“J3が主戦場、五輪代表も控えGK続き”だった谷晃生が正守護神になるまで 川口能活コーチも認める「強み」でメキシコを止めるか 

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飯尾篤史

飯尾篤史Atsushi Iio

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photograph byKaoru Watanabe/JMPA

posted2021/07/24 17:03

“J3が主戦場、五輪代表も控えGK続き”だった谷晃生が正守護神になるまで 川口能活コーチも認める「強み」でメキシコを止めるか<Number Web> photograph by Kaoru Watanabe/JMPA

南アフリカ戦でゴールマウスを守った谷晃生。メキシコ相手にも無失点なるか

 相手の強烈なミドルシュートをセーブし、終盤にはペナルティエリア外に飛び出してクリアするなど、3-0の勝利に貢献するのだ。

「チームがいい状態でゲームを進めていたので、なかなかシュートが飛んで来なかったですけど、どこかで来るだろうなと。集中を切らさずにやれたのがあのプレー(ミドルシュートのセーブ)に繋がったのかなと思います」

 このゲームがターニングポイントとなり、一気に正GK候補に浮上する。

アトランタ五輪のヒーロー、川口コーチの評価は

「谷の強みはシュートストップですね」

 そう語るのは、東京五輪代表の川口能活GKコーチである。言わずと知れた元日本代表GKで、96年アトランタ五輪のブラジル戦でロナウドやベベート、リバウドらサッカー王国のスター選手たちの放ったシュートをことごとくストップした活躍は、今なお語り草だ。

「谷に関してはガンバのU-23時代から注目していたんです。湘南で出場機会を得てから、よりパフォーマンスが上がりましたね。特に今年に入ってからは、ビルドアップの精度も向上していると感じます」

 同年代の大迫、鈴木、沖悠哉(鹿島)とのポジション争いは続いていたが、出場時間は谷が第一候補であることを表していた。6月のガーナ戦はフル出場、ジャマイカ戦は前半45分に出場、7月のホンジュラス戦はフル出場、スペイン戦は前半の45分に出場している。

 そして実際、南アフリカ戦で森保一監督が選んだのは谷だった。

経験豊富なDF陣に「頼ってばかりはいられない」

 守備を固めるのは吉田麻也、冨安健洋、板倉滉、酒井宏樹、中山雄太と、A代表の中心選手や欧州組の面々である。経験豊富な先輩たちだが、GKとして支えてもらうだけではない。

「彼らの安心感や安定感は、後ろから見ている僕が一番感じていますけど、頼ってばかりはいられないです。僕自身が頼もしいと思われる存在にならなければいけないと思うので、後ろから見えるものをしっかり伝えて、自分がゴールを守る仕事をしたい」

【次ページ】 メキシコ戦に向け、南ア戦で得た経験をポジティブに

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