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大谷翔平の“恩師”が監督、マルティネスにマクガフ、オースティン… アメリカ主力のNPB勢を攻略できるか〈侍ジャパン対戦国分析〉
posted2021/07/27 20:00
text by
広尾晃Kou Hiroo
photograph by
Nanae Suzuki
侍ジャパンが金メダルを目指す東京五輪。果たして出場6カ国の陣容はどんな面々なのか。各国のプレーヤーを紹介する(全6回/ドミニカ編に続く)
7月28日から東京オリンピックの野球競技が始まる。今回は6チームの参加。各チームの戦力分析をしておこう。
野球競技は1984年にロサンゼルス五輪から始まったイメージが強いが、1904年セントルイス五輪に開催されていた。公開競技で実施されない大会も少なくなかったが、1992年のバルセロナ五輪から正式競技となった。2008年北京五輪でいったん実施競技から外されるまで、すべて8チームの争いだった。3大会ぶりの今回は初めて6チームだ。
これまでと同様、MLBの26人枠(今季は特例で28人枠)の選手は出場しない。現役メジャーリーガーはいないわけだ。
だとするとこれに次ぐレベルとされるNPBのトップ選手がそろった日本が一番有利なようだが、短期決戦でもあるし、そうとは言えない部分もある。
宗主国アメリカだが、ずいぶんと苦労した
まずは、アメリカ代表について見ていこう。
アメリカは東京五輪の予選である2019年WBSCプレミア12に代表チームを送り込んだ。ここで北中南米国の最上位となれば、オリンピック出場が決まるが、スーパーラウンドでメキシコに負けたために、今年5月31日から6月5日まで行われたアメリカ大陸予選でドミニカ共和国、ニカラグア、ベネズエラなどを下して出場を決めた。
野球の宗主国アメリカとしては、オリンピック出場は何としても死守したいところだったが、ずいぶん苦労をした。
7月に入って発表されたロースターを見て行こう。現在の所属チームと、今季前半の成績を入れている。