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「手も足も出なくて...」新団体GLEATで“女優レスラー”福田茉耶が味わった“恐怖の4分50秒”…それでも「光栄です」と語ったワケ
posted2021/07/07 11:01
text by
橋本宗洋Norihiro Hashimoto
photograph by
Norihiro Hashimoto
“女優レスラー”のデビュー戦は4分50秒の短時間で終わった。
7月1日、新団体GLEATの旗揚げ戦となるTDCホール大会。新人の福田茉耶は初めての試合で橋本千紘と対戦し、アンクルホールドで敗れた。橋本はセンダイガールズプロレスリングのチャンピオンで、身長158cm、体重88kg。
対する福田は小兵、しかも初めての試合だ。5分もたないのが普通と言っていい。主催者側は、異色の新人である福田に対して、あえて厳しすぎるマッチメイクを用意したのではないか。
芸能界への夢も諦めきれなかった
現在20歳の福田は、1歳の頃から芸能活動を始めた。養成学校に通い、声優を目指したりアイドルの研修生としてステージに上がったこともある。
「だけど、まだ私には成功したと言えるものがなくて。何かを頑張りたいとずっと思って、その気持ちを燃やせる場所を探してきました」
並行して小学生から始めた空手では実績がある。中学、高校と2度、剛柔流の世界大会ジュニア部門で入賞(型で優勝、組手では2位と3位)を果たした。剛柔流は、いわゆる伝統派空手だ。もしかするとオリンピックを目指すという道もあったかもしれない。ただ福田は芸能界への夢も諦めきれなかった。
「空手では、もうちょっとでナショナル選考というところでした。でも力が足りなかったです。最終的には、それ一本でやっている人が強くて。芸能界もそうですね。やっぱり選ばれるのは、かけもちよりも一つのことに打ち込んでいるタイプ。そこは納得しています」