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「チームメイトにも相談できなかった……」川崎から広島へ移籍、31歳・辻直人が語った“本当の理由”とは?
posted2021/07/06 17:01
text by
ミムラユウスケYusuke Mimura
photograph by
KAWASAKI BRAVE THUNDERS
生え抜きとして一つのクラブでキャリアを終えることが幸せなのか。何歳になっても自分が成長する過程を楽しめることこそが幸せなのか。これは、プロアスリートの生き方と幸せについて問う話である――。
ベテランと呼ばれる31歳になってなお、成長したい。
「これからのバスケ人生をわける1年」
プロレベルでのバスケットボールの「第2章」を迎えるにあたって、改めてそう考えた選手がいる。川崎ブレイブサンダースの一員となった2012年から9年。70年の歴史を越える名門チームから、日本のトップカテゴリー・B1への挑戦2年目の広島ドラゴンフライズへ。辻直人は、7月1日からその活躍の場を移した。
移籍に至るまでの心境の変化を一言で説明するならこうなる。昨シーズン開幕前にかかげた個人的な目標があり、このままでは、それを突き詰められなくなると感じたからだ。昨シーズンの目標はハッキリしていた。
「Bリーグで優勝して、自分がファイナルのMVPに輝くこと」
チームを頂点に引っ張り上げるほどのプレーをして、もう1つ上のレベルの選手になりたいと考えた。だから、「これからのバスケ人生をわける1年」になると宣言した。
実際には、どうだったか。