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“成功者”大谷翔平が27歳に 本人の言葉から読み解く「なぜ大谷翔平はこんなに絶好調なのか?」
posted2021/07/05 06:00
text by
笹田幸嗣Koji Sasada
photograph by
Getty Images
勝負の世界に身を置けば、いいこともあれば、うまくいかないことも多々ある。ましてや、野球は打者ならば3割を打てば一流、先発投手にしても勝率6割でエースの領域だ。失敗と向き合うスポーツ。それが野球と言える。
その厳しい世界で、しかもその頂点であるメジャーリーグで、今、大谷翔平は投打において“成功者”と評価される。
キャリア最高 なぜ大谷はこんなに絶好調なのか?
先発投手として100マイル(約161キロ)の直球と難攻不落のスプリットを併せ持ち、奪三振率12.5は規定投球回数に足りないものの、両リーグ6位に相当する。打者では30本塁打を放ち両リーグトップを走る堂々の本塁打王(ともに数字は7月4日現在)。
キャリア最高のシーズンを送る大谷は好調の要因をこんな言葉で説明した。
「しっかりトレーニングも出来ていますし、オフシーズンもそうやってしっかり手術もなにもなく、健康体でトレーニングしてこれたのが、良かったと思います」
技術や精神面での成長ではなく体調の充実が一番。アスリートにとって、どれほど『健康』が重要であるか。それがよくわかる言葉だった。
シーズン中は、ほとんどの選手がどこかに故障を抱え、体調不良もありながら、日々の試合に臨んでいる。怪我とは無縁と言われてきたあのイチローさんでさえ、実際にはふくらはぎ痛や腰痛などを抱えながら試合に出ていたこともあった。今年の大谷とて、毎日が100%ではないだろう。投手として右肘に張りがあったり、打者としては下半身に不安を抱える日もあったかもしれない。その中で、安定して突出したパフォーマンスを保っている。日々の努力は計り知れない。
“野球の神様”を思い出させる
今季、大谷は『野球の神様』と称されるベーブ・ルースと肩を並べる数々の歴史的記録を打ち立てている。数が多すぎるので詳細は他に譲るが、ルースが最後にプレーしたのは86年前に遡る。