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香川真司超え「33億円」の市場価値、鎌田大地は日本代表にどう効く? 「上位との試合のほうが僕のゴールチャンス自体は多い」
text by
ミムラユウスケYusuke Mimura
photograph byGetty Images
posted2021/06/24 11:03
6月11日、セルビア戦での鎌田大地。W杯に向け、日本代表になにをもたらせるか期待がかかっている
「僕たちはそういうチームを目指していないとだめ」
そんな香川の評価額がもっとも高かったのはドルトムントからマンチェスター・ユナイテッドへ移籍するタイミングだった。鎌田の評価額がここに来て一気にあがっているのは、所定の移籍金を支払うクラブが現われれば移籍を容認するという姿勢を現在の所属先のフランクフルトが見せていることと無関係ではない。ステップアップのための機は熟したともいえる。すでにロンドンの人気クラブや、スペインのセビージャの名前が候補として報じられている。
鎌田は自らの将来について、言葉を選びつつ、こう話している。
「4大リーグで、CL出場権を獲れるチームでというのが一番良いチームだと思います。でも、それ以外にもアヤックスやポルトもCLで常に良い結果を残しているし、歴史のあるクラブももちろん、僕のなかでは良いクラブだと思います。
W杯で優勝するようなチームをみたら、そういうクラブでスタメンを張っているのに、(そのクラスの選手が多くいる代表ではクラブチームにいるときほど代表戦に)出られない選手がいっぱいいます。日本代表の選手の多くがそういうレベルのクラブチームでプレーするようになったら、本当にW杯で優勝を目指せると思うし。僕たちはそういうチームを目指していないとだめかなと思います」
「上位チームとの試合のほうがゴールチャンスは多い」
鎌田の評価額の高さのもう1つの理由は、残してきた結果のためだろう。
今季の鎌田はブンデスリーガで3位の12アシストを記録した。それに対して決めたゴールは5つ。「チャンスメイクの方が自分には合っている」という鎌田の言葉通りのデータにも見えるのだが、実は、ゴールを決めた試合では強烈なインパクトがあった。
鎌田がゴールを決めた試合と、その試合での対戦相手の順位は以下の通りだ。
10月3日 ホッフェンハイム 対戦時は首位
12月5日 ドルトムント 対戦時は4位
2月20日 バイエルン 対戦時は首位
3月14日 RBライプツィヒ 対戦時は2位
4月10日 ヴォルフスブルク 対戦時は3位
来季のCL出場権を獲得した4チームと、序盤戦で好調を維持していた当時の首位のホッフェンハイム相手のゴールだった。
強敵相手に得点を重ねてきた要因について、少しの嫌味もなく、以下のように語るところに鎌田の底抜けの恐ろしさがある。
「良いチームから得点を奪えるのはそのまま評価につながると思いますし、良いことだとは思います。ただ、上位のチームとの試合では僕たちのカウンターがハマリますし、意外とスペースができるし、ゴールにどんどん近づいてプレーできる。だから、上位との試合のほうが僕のゴールチャンス自体は多いのかなと思いますね」