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香川真司超え「33億円」の市場価値、鎌田大地は日本代表にどう効く? 「上位との試合のほうが僕のゴールチャンス自体は多い」
text by
ミムラユウスケYusuke Mimura
photograph byGetty Images
posted2021/06/24 11:03
6月11日、セルビア戦での鎌田大地。W杯に向け、日本代表になにをもたらせるか期待がかかっている
「代表活動をかさねて、プレーしやすくなっている」
セルビア戦が行なわれたノエビアスタジアム神戸は、2019年3月に鎌田が代表で2試合目の出場にして、初めてスタメン出場をかざったスタジアムだった。当時はフランクフルトでの失意の1年を経て、ベルギーのシント・トロイデンにレンタル移籍していた。そこでゴールを量産していたからか、あの試合ではセンターフォワードのポジションで起用され、そうとう窮屈そうにプレーしていた。
あのときと今回の神戸での試合とを比べると、まったくの別人のようだ。
圧倒的な進化は、大きく成長したからなのか。それとも、ポジションが本来得意とするところに変わったからなのか。その点について問うと、鎌田は即答した。
「圧倒的に、ポジションが違うからだと思いますね」
その一方で、確固たる自信ものぞかせている。
「シント・トロイデンにいたときよりも、僕のプレーを代表のみんなが理解してくれるようになっているし、僕にパスが入ればある程度はできるとわかってくれていると思うから、ボールもそれなりに集まるようにもなっています。個人的には、代表活動をかさねていくにつれて、プレーしやすくなっている印象はすごく強くありますね」
移籍市場評価額は香川超えの「33億円」
自他ともに力を認めるようになったタイミングで鎌田は、選手としての価値でもキングとなった。
今ではサッカーの移籍市場の権威となっているのが、ドイツ発祥の選手評価サイトのTransfermarktだ。このサイトでは定期的に、その時点での選手の移籍市場における評価額を発表している。
チームの強さを表すFIFAランキングの選手版とも言えるようなものだが、今年の6月、鎌田の評価額は現在の日本人選手のトップとなる2500万ユーロになったのだ。日本円にしておよそ、33億円になる。
これは日本人選手の歴史を振り返ってみても、2019年5月の中島翔哉に並んで2位タイの高額だ(2020年7月23日に久保建英が記録した3000万ユーロが最高)。
かつて長い期間この項目でトップだった香川真司が2012年6月に記録した2200万ユーロを超えた、といえば、そのインパクトがわかるはずだ。