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EURO2012準優勝イタリアは“ピンポン武闘会”もアツかった!? モントリーボが明かす「バロテッリ、本当に強かった」
text by
マルコ・パソットMarco Pasotto
photograph byGetty Images
posted2021/06/10 17:02
EURO2012で輝いたイタリア代表。ピッチを離れるとピンポンで熱くなったという
当時のスペインはとんでもないドリームチーム
――改めて、あの悲劇的なファイナルをふり返ってもらえますか。
モントリーボ 当時のスペインは、とんでもないチームだった。まさにドリームチームさ。彼らは、夢のような中盤を軸にした黄金時代の絶頂期にいた。前半で2点を先行されて、こっちは浮足立ってしまった。休養日が1日少なく、絆創膏だらけ(=満身創痍)だったイタリアに比べ、スペインのフィジカルコンデイションは万全だったからね。後半に入って、何とかゲームを盛り返そうとしたんだけど(モッタの負傷退場によって)10人になってしまった。
僕らが対戦した2012年大会のスペインは、代表史上最強のチームだ。僕に言わせれば、南アフリカW杯で世界王者になった2010年のチームよりも強いと思うね。
ドイツ、イングランド戦は最高の思い出だ
――しかし、大会を通して見せたイタリアの戦いは胸のすくものでした。初戦でスペインと1-1で引き分け、クロアチアとの2戦目もしぶとく1-1、3戦目のアイルランド戦で2発快勝の決勝トーナメント進出。イングランドとの準々決勝をPK戦で制して、2年後にブラジルW杯を制するドイツを準決勝で見事に破りました。2012年大会におけるイタリアのベストゲームを選ぶとすれば?
モントリーボ 思い出として最高なのは、2-1で勝ったドイツとのセミファイナルだね(※先発したモントリーボは、36分にFWマリオ・バロテッリの2点目をアシスト。さらにドイツ国籍の母親を持つモントリーボにとって、ことさら思い入れのある試合だったことは想像に難くない)。ただプレー内容で言うなら、ベストゲームと言えるのは準々決勝のイングランド戦だと思う。
決着こそPKにもつれこんだけれど、数多くの決定機を作り、試合を完全に支配することができた。決勝トーナメントに入っても僕たちに対する下馬評は低くて、どの国からも『イタリアは怖くない』と思われていた。だから、イングランドやドイツに勝ったときはしてやったりという感じで、余計に嬉しかったね。
――当時のアズーリには、大会ベストイレブンにも選ばれた天才アンドレア・ピルロ(前ユベントス監督)をはじめ、問題児アントニオ・カッサーノ、悪童バロテッリ、そして鉄壁の守備を誇ったBBC(アンドレア・バルザーリ、レオナルド・ボヌッチ、ジョルジョ・キエッリーニ)など個性豊かな選手が揃っていました。大会期間中の興味深いエピソードがあれば教えてください。