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高校の成績は“オール5”で慶大進学、レスリング・尾崎野乃香が世界へ 強豪校スカウト「何が何でも尾崎を獲れという指令が…」
text by
布施鋼治Koji Fuse
photograph bySachiko Hotaka
posted2021/06/05 11:02
全日本選抜レスリング選手権の女子62kg級で初出場・初優勝を遂げた尾崎野乃香
尾崎の1日は練習か勉強かの二者択一
練習時の尾崎のモットーは常に全力。「きつくなってきてからが本当の練習」だと信じている。
「身体中痛い中で練習しているので、フィジカルには自信があります」
尾崎の1日は練習か勉強かの二者択一。授業があるときには都内から慶應大の環境情報学部がある神奈川県藤沢市まで片道2時間かけて通う。寝不足になることが唯一の不安材料ながら、尾崎は文武両道を貫くつもりだ。
「往復の時間で勉強したりすることで、レスリングとの両立はできないことはないと確信しています。今後は心理学や語学を学びたい」
学問に対する旺盛な研究意欲はレスリングのそれにもつながっている。
「レスリングを感覚的にやっているだけだと、(途中から)通用しなくなってしまう部分もあると思う。どうしたら自分の技がかかるのか。自分に何が足りないのか。そういうことを考える必要がある。勉強もそうで、どうしてわからないのかを考えるクセがついている」
慶應大では初となるオリンピックを狙える女子レスラーは、希代のIQファイターとして世界に羽ばたくか。