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“欧州SLに乗り気じゃなかったオイルマネー勢”がCL決勝で激突… 注目すべきは20歳フォデンと22歳マウント、出世株の生え抜き
text by
井川洋一Yoichi Igawa
photograph byGetty Images
posted2021/05/29 11:01
マンチェスター・シティとチェルシー。オイルマネーで21世紀のメガクラブとなった両者の激突はどのような結果となるか
フォデンと同じく生え抜きマウントに注目したい
流動性の高いアタッキングスタイルを披露する現在のチェルシーも、セントラルMFジョルジーニョがチーム内得点王になるなど、シティ同様に攻撃の形や得点者が多岐にわたる。復活して躍動するアントニオ・リュディガー、美しい立ち姿のチアゴ・シウバ、難なくCBに対応するリース・ジェイムズの3バックは球が出せて守備も堅い。マテオ・コバチッチやビリー・ギルモアといった技術と度胸のある中盤も面白い。
加えて、指揮官と同胞の新戦力ティモ・ベアナーとカイ・ハバーツも期待されるが、日曜日の早朝には、シティのフォデンと同じくこちらも生え抜きのメイソン・マウントに注目したい。
現在22歳のMFは、2季前にローン先のダービー・カウンティでフランク・ランパード監督の指導を受け、昨季に共にチェルシーへ帰還。今季途中にその恩師が解任された時は、自身の処遇も危惧され、実際に新監督の初戦で先発から外されるも、次の試合に信頼を掴み、引き続きレギュラーに。驚異のスタミナは激しいチェイスやフリーランを可能にし、軽快なスキルと素早い動きで、リンクマンとしても、アタッカーとしても機能する。
クラブでは2季連続で全公式戦53試合に出場したうえ、主力となったイングランド代表戦にも出続けた影響からか、ここ最近はやや疲れの色が見えるが、最後の一戦にうまく整えられれば、なにが起きてもおかしくはない。
「プレミアリーグでは4位争いに巻き込まれ、FAカップとCLの決勝に進出。それはとてつもなく大きなタスクだよ」とトゥヘル監督はCLファイナルウィークの記者会見で言った。
「だから今はメンタルをリラックスさせることが何よりも必要。でもじきに準備が始まる。我々は、CL決勝に備えることが許されたんだ。フットボーラーの夢が叶ったわけだよ。キャリアでもっともエキサイティングな瞬間がやってくる」と言ってチャーミングな笑顔を浮かべた。
ちなみに直近の直接対決の結果は……
今季、両者はリーグ戦とFAカップ準決勝で計3度対戦し、チェルシーの2勝1敗。直近は5月8日のエティハド・スタジアムでのリーグ戦で、チェルシーが2-1の逆転勝利を収めている。
ただしこの時は、CL準決勝の直後だったこともあり、シティのグアルディオラ監督は、中盤にラヒーム・スターリングとフェラン・トーレスというアタッカーを置く、実験的なシステムで臨んだ。この50歳のスペイン人指揮官は時に、相手を研究しすぎるからか、大事な一戦に奇抜な戦術を用意することがある。果たして、日本時間5月30日早朝4時にキックオフを迎える今季CLファイナルではどうか。
ひとつだけ確かなのは、昨季よりも良い決勝になるということ。理由はもちろん、スタンドにファンがいるからだ。できることなら、スポーツで厄介なウイルスを洗浄し、また誰もが普通に抱き合って喜べる日が来るといい。
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