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ケニア人選手にとって箱根駅伝は“特別な大会”ではない… 「稼げない」大学陸上界に留学生を招いた指揮官の使命 

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酒井政人

酒井政人Masato Sakai

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photograph byL:Yuki Suenaga R:JMPA

posted2021/05/27 11:00

ケニア人選手にとって箱根駅伝は“特別な大会”ではない… 「稼げない」大学陸上界に留学生を招いた指揮官の使命<Number Web> photograph by L:Yuki Suenaga R:JMPA

関東インカレで別格の走りを見せたイェゴン・ヴィンセント(東国大)は21年の箱根駅伝でも区間新記録を打ち立てていた

留学生の増加はプラスの面が大きいから

 一方でケニア人留学生が増加したことは学生長距離界にプラスの面が大きい。国際大会に出場しなくても、強い外国人選手と戦うことができる。それが全体のレベルアップにつながっているからだ。

 今回の関東インカレでも「ケニア人留学生が相手でも1番を狙っていました」という石原翔太郎(東海大)が1部10000mで攻め込んだ。終盤はトップを奪う見せ場を作り、U20日本歴代2位の28分05秒91をマークして2位に入った。2部10000mも3位の唐澤拓海(駒大)が28分05秒76、4位の鈴木聖人(明大)は28分09秒24、5位の藤木宏太(國學院大)が28分10秒30をマークするなど日本人選手は過去最高レベルのタイムを残した。

 強い留学生の存在があるからこそ普段から“世界”を意識できる。箱根駅伝だけで終わらないためにも、日本人選手にはどんどんケニア人選手にチャレンジしてほしいと思う。

記事内で紹介できなかった写真が多数ございます。こちらよりぜひご覧ください。

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