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伸び盛りの19歳高橋藍は石川祐希と何が違う? 恩師も「あれはえぐい」と驚いた中国戦での巧みなスパイクを解説

posted2021/05/07 06:00

 
伸び盛りの19歳高橋藍は石川祐希と何が違う? 恩師も「あれはえぐい」と驚いた中国戦での巧みなスパイクを解説<Number Web> photograph by Takahisa Hirano

初めての国際舞台とは思えない躍動を見せた高橋藍(中央)。新たな刺激を受け、さらなる飛躍を期待したい

text by

田中夕子

田中夕子Yuko Tanaka

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Takahisa Hirano

 うわ、か。うお、か。ぬお、か。

 文字にするのが何とも難しい。男子バレーボール日本代表・高橋藍(日本体育大学)が放った一本に、思わずそんな言葉にならない声が出た。

 5月1~2日、東京五輪の会場となる有明アリーナでテストマッチと銘打って行われた、日本代表と中国代表の国際親善試合。この試合は1年7カ月ぶりの国際試合というだけでなく、東京五輪に出場する12名を定める選考レースの1つでもある。本番に向け、現チームが始動した2017年から主軸を担う選手たちに加え、新たに選出された候補選手が堂々としたプレーでアピールを重ねた。その新顔の中でも、観る人の度肝を抜いたのが19歳の高橋だった。

 初戦の1日は、中国の高さを前に「最初は硬さもあり(気持ちが)引いていた」と振り返ったように迷いも感じられた。空いたスペースを狙うのか、ブロックに当ててリバウンドを取るのか――いささか中途半端にも見えるプッシュボールをアジア屈指の高さを誇る中国のブロックに叩き落とされる場面もあった。

 だが、それも序盤だけ。高さを利とする相手に「(サーブレシーブ時は)差し込まれていたので、普段より一歩引いた場所で取るように修正した」とすぐさま対応し、攻守両面で存在感を発揮。代表デビュー戦というだけでなく、アンダーカテゴリーでも日本代表経験がない高橋にとって、これがほぼ初めて世界と対峙する機会であることを踏まえれば、緊張も不慣れもあって当たり前。及第点には十分な出来だった。

 しかし、そんなところで満足してもらっては困るとばかりに、翌日の第2戦ではさらに圧倒的なポテンシャルの高さを随所で見せつけた。

 その象徴が、セットカウント2-1で迎えた第4セットで高橋が放った2本のスパイクだった。

【次ページ】 中垣内監督も称賛「まさに彼の持ち味」

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