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【プロ2年目の飛躍】オリックス宮城大弥(19)がマウンドで見せる“違う顔”とは? “ドラ1後輩”山下へは「自分をしっかり持っとけよ」
text by
米虫紀子Noriko Yonemushi
photograph bySankei Shimbun
posted2021/04/17 17:03
プロ2年目の宮城は今季すでに2勝。3戦目の日本ハム戦も白星は逃したが、7回2失点の好投を見せた
140キロ台後半のキレのあるストレートに加え、すべての変化球でストライクを取ることができる。速いテンポで追い込み、決め球の変化球に、打者が大きく体勢を崩される場面がよく見られる。
緩急を効かせる上で、鍵になっているのが球速100キロ前後のカーブだ。ストレートとの球速差が40キロ近くあるこの球を巧みに活かして打者を翻弄している。
実は昨年の途中までは使っていない球種だった。二軍でバッテリーを組んだ捕手の飯田大祐のアドバイスがきっかけだったという。
「飯田さんと組んだ時に『カーブ使えるぞ』って言われて。それまでは全然投げていませんでした。自信を持っている球でもなかったし、緩い球だと打たれるのかな、と思っていたので」
「目的を持って取り組める選手」
昨年現役を引退し、現在はブルペン担当補佐を務める飯田はこう話す。
「最初はまっすぐとスライダー、チェンジアップで試合に入っていたんですけど、どうしても3巡目あたりになると打者の目が慣れてきて、手詰まりになってしまう感じがあったんです。それで、コーチの方々とも『何かないかな?』という話になって。カーブを投げられるというのを聞いたので、じゃあメリハリをつけるために投げてみようか、という話をしました。
高校時代も1試合に1、2球ぐらいしか投げていなかったという話だったので、最初は大丈夫かな?と思ったんですけど、すごく器用な子なので、すぐに使えるようになりました。今では自信を持ってどんなバッターにも投げているので、いい転機になってよかったなと思っています。器用だし感覚はいいし、本当にセンスが抜群。それに、ちゃんと自分で何か目標を決めて、目的を持って取り組める選手で、調子の波も少ない。19歳とは思えないですね」