2020年M-1・全員インタビューBACK NUMBER
おいでやすこがにあえて聞いた「M-1、あと13回出られますが? 超多忙な今年はどうしますか?」
text by
中村計Kei Nakamura
photograph byKeiji Ishikawa
posted2021/04/21 11:03
おいでやす小田(右、ツッコミ担当、42歳)とこがけん(ボケ担当、42歳)
小田 やれることはやりましたね、全部。コロナが流行している中、あんまり大きな声では言えないんですけど、全組が2本目をやり終えたあと、自然とマヂカルラブリー、見取り図、僕ら3組が円陣になって。それぞれにハグをして健闘をたたえ合いました。一昨年の大会が史上最高と言われて、演者の中に、今回も何とかして盛り上げたいという思いがあったと思うんですよ。なので「よかった、よかった、前年に負けてないよ」って。
――でしたら、いよいよファイナルジャッジで、これからチャンピオンが決まりますよ、というときも、清々しいぐらいの気持ちでしたか。
小田 0票で終わりという心の準備はできていました。
こが 僕もそれでぜんぜんいいと思っていました。
――結果、最初の5人は見取り図かマヂカルラブリーで票が割れましたが、最後の2人、松本(人志)さんと上沼(恵美子)さんはおいでやすこがに投票されて。3対2対2という、ある意味、最高のフィナーレでしたよね。
小田 もう、やったー! ですよ。それ以外ないです。
M-1、あと13回出られますが?
――M-1は出ようと思ったら、あと13回出られますが。
小田 いや、10年後、まだ僕らが出ているようではダメでしょう。年齢的なものを考えても、あと1回か2回でしょうね。十分過ぎるほどの恩恵を受けたので、これ以上、M-1に何を望むねんって。ただ、僕らが予選に参加することで、お客さんがちょっとでも集まるのなら、そこは恩返しの意味でも出たいなとは思っているんですけど。
こが 周りの人には、けっこう、もう出なくてええやろうみたいに言われるんですけど。ただ、優勝したいとかはまったく考えてはいません。
小田 けど、「目標は何ですか?」って聞かれたら言いますよ。優勝に決まってるやろ、って。そこはそう言わんと、逆に感じ悪いじゃないですか。
――今はユニットと呼ばれていますが、それがコンビになる可能性もあるのでしょうか。
小田 ユニットは継続しますけど、コンビになることはないと思います。方向性はバラバラなので。将来の夢とかを二人で語り合ったこととかもないですし。なので、方向性の違いを理由に別れるということもないと思います。
――でも、実際のところどうなのでしょう、マヂカルラブリーが優勝して、これだけいろいろな論争が巻き起こりましたけど、お二人が優勝していたら、もっとすごいことになっていたのではないでしょうか。
こが いや、そうなんですよ。1本目が終わってトップに立ったとき、もしかして……って一瞬、思ったんです。でも、直後に打ち消しました。ダメダメダメダメって。
小田 最近、つくづく思うんですよ。準優勝でよかったな、って。M-1チャンピオンって、おれらが背負えるほど軽いもんじゃないですから。
(【最初から読む】「2年前のM-1は漫才師の“劣化版”で失敗した」おいでやすこがが決して“はい、どーもー”を言わない理由 へ)
(写真=石川啓次)