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大谷翔平の復調とペナント争い。162試合で戦われる2021年の大リーグの覇権の行方 

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芝山幹郎

芝山幹郎Mikio Shibayama

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posted2021/03/27 11:01

大谷翔平の復調とペナント争い。162試合で戦われる2021年の大リーグの覇権の行方<Number Web> photograph by Getty Images

大谷は25日のロッキーズとのオープン戦で指名打者にて先発出場。第1打席で先制5号ソロホームランを放った

 というわけで、私の予想は、ア・リーグ東地区王者がヤンキース、中地区王者がホワイトソックスとなる。西地区は……心情的にはエンジェルスを推したいが、いまのところアストロズの総合力が上と見る。

 ポストシーズンのフォーマット(20年は各リーグから8チーム、合計16チームが参加する乱戦模様だった)は未定だが、もし19年と同様、各リーグからワイルドカード2チームを選ぶことになるのなら、前田健太が好調を持続しているツインズと、ジョージ・スプリンガーが加わって打線に厚みを増したブルージェイズを推す。

 リーグチャンピオンは、今年こそヤンキースか。ゲリット・コールに次ぐ先発2番手の充実が課題だが、コーリー・クルーバーの復調に期待しよう。ホワイトソックスは、10年ぶりに現場復帰した76歳のトニー・ラルーサ監督の采配が見ものだ。監督としては史上3番目の高齢だが、IT野球に対する批評的視点を打ち出してくるのだろうか。戦力的にはヤンキースに及ばないような気がする。

 一方のナ・リーグはどうだろうか。

 ペナントをめぐる争いは、実はこちらのほうが面白そうだ。

 なんといっても、「王朝」を確立中のドジャースが群を抜いて強い。ウォーカー・ビューラー、クレイトン・カーショー、トレヴァー・バウアー、デヴィッド・プライス、フリオ・ウリアスの先発投手5人は、他のチームに行けば全員がエース級の扱いを受けるレベルだ。

 打線も隙がない。ベッツ、コーリー・シーガー、ジャスティン・ターナーと連なる上位打線はもちろんだが、コーディ・ベリンジャーやA・J・ポロックが6番7番を打つなどという光景は、他のチームではまず考えられない。今季100勝以上を記録するチームが出るとすれば、ドジャースが候補の筆頭だろう。

 そんなドジャースと同リーグ同地区に属するパドレスも、勝利数ならリーグ第2位をマークする可能性がある。以前も指摘したが、ダルビッシュ有、ディネルソン・ラメット、ブレイク・スネルの先発投手3本柱は強力だし、マニー・マチャド、フェルナンド・タティースJr.を軸とする打線も、若さがあるだけに、火がつくと凄まじい破壊力を発揮しそうだ。162試合の長丁場で激戦区を制するのはむずかしいかもしれないが、短期決戦のポストシーズン・ゲームなら、どんな大物食いをやってのけてもおかしくない。

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