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「頑張ったね」サクセスブロッケンの“誘導馬引退”と最後のキス ダービーの夢を叶えたふたりが歩むそれぞれの道
text by
カジリョウスケRyosuke Kaji
photograph byRyosuke Kaji
posted2021/03/13 06:00
サクセスブロッケンと葛原耕二は強い信頼関係を築き、引退レースのフェブラリーSまでともに歩んだ
葛原のいない日々を過ごしたサクセスブロッケンは
実はサクセスブロッケンの引退決定後に葛原の異動も決まっていた。異動先は小倉競馬場。そう、ブロッケンの受け入れ先と同じ九州だ。3月1日付のため、葛原のほうが先に東京競馬場を去っていた。
3月5日の朝、鹿児島から馬運車が到着した。8時30分、長らく住んだ馬房から出て輸送用のプロテクターをつけ身支度を整えた。彼に話しかけると、彼はいつもとは違う雰囲気と葛原がいない状況を察してか、全てを悟ったかのような、そして何かを言いたげな表情を見せていた。8時40分、サクセスブロッケンは馬運車へと向かった。関係者が見守る中、すんなりと馬運車に乗り込み、葛原のいる九州へと旅立った。