審判だけが知っているBACK NUMBER

<私が裁いた名勝負>試合後、私まで柔道をやっていてよかったと感じた。 

text by

雨宮圭吾

雨宮圭吾Keigo Amemiya

PROFILE

posted2021/03/02 08:00

<私が裁いた名勝負>試合後、私まで柔道をやっていてよかったと感じた。<Number Web>

天野安喜子さん

語り継がれる名勝負をその演者のひとり、審判が振り返る。彼女しか知らない新たな景色が見えてくる。

2020年 東京五輪柔道男子66kg級日本代表内定選手決定戦
12月13日/講道館大道場/阿部の優勢
阿部一二三 対 丸山城志郎

新旧世界王者が激突した史上初のワンマッチによる五輪代表決定戦。国際ルールの下、無観客で開催され、4分間の本戦を終えると技によるポイントが入った時点で勝敗を決する延長戦へ。両者に指導が2つついた延長20分過ぎ、阿部(右)が大内刈りで技あり。大激闘を制した。

   ◇

 慣れ親しんだ講道館の大道場の雰囲気が、あの日は全く違っていました。戦う2人に最高の環境を整えようと全員が心を一つにしていて、水を打ったような静けさなんです。誰も話さず、無駄な動きもしない。あんなことは初めてでした。

こちらは雑誌『Number』の掲載記事です。
NumberWeb有料会員になると続きをお読みいただけます。

残り: 1473文字

NumberWeb有料会員(月額330円[税込])は、この記事だけでなく
NumberWeb内のすべての有料記事をお読みいただけます。

関連記事

天野安喜子
阿部一二三
丸山城志郎
東京五輪
オリンピック・パラリンピック

格闘技の前後の記事

ページトップ